運転可能範囲が広く最適運転可能
株式会社東芝は、同社が北海道電力株式会社の京極発電所2号機に納入した可変速揚水発電システムが、11月に営業運転を開始したことを発表した。
この可変速揚水発電システムは、従来の揚水発電システムに比べて運転可能範囲が広く、ゼロ出力から最大出力まで電力の需給バランスに応じた最適運転ができるため、水資源の有効活用と電力安定供給への貢献が期待されている。
制御装置の接続で電力安定運用
システムの特長として、可変速2次励磁装置には、同社独自のIEGT(Injection Enhanced Gate Transistor)素子という注入促進型絶縁ゲートトランジスタが採用されており、周辺回路の簡略化によるコンパクト化やシステム全体の損失低減を実現している。
さらに、監視制御装置間をゲートウェイによるネットワークで接続し、各号機単独の運転制御だけでなく、落雷などの系統事故時に系統周波数低下を検出して複数ユニットを組み合わせて発電を開始する緊急発電運転を行うなど、発電所全体としての電力安定運用に貢献できるシステムといえる。
北海道初の純揚水式水力発電所
京極発電所は、北海道虻田郡京極町北部の台地に設置したプール形式の上部調整池と、京極町を流れる尻別川水系ペーペナイ川上流部に設置した京極ダム(下部調整池)との間の総落差約400メートルを利用して発電する。
最大出力20万キロワットの1号機が2014年10月に運転を開始しており、今回、同じく20万キロワットの最大出力を持つ2号機が運転を開始、最大出力20万キロワットの3号機が2025年以降に運転開始を予定しており、合計で60万キロワットの最大出力を見込んでいる。
(画像はプレスリリースより)

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