ブラックシリコン太陽電池の効率が22.1パーセントに向上
5月18日、フィンランドのアールト大学、理学部工科カタルーニャの研究者が開発した、ナノ構造のシリコン太陽電池が、フラウンホーファー の校正機関、ISE CalLabのテストで22.1%の記録的な効率を達成したことが、アールト大学ニュースサイトに発表された。
従来品に比べて、ほぼ4%の効率増加は、セル裏面側の全ての金属接点を統合する原子層堆積によって、ナノ構造上に薄い不動態化膜を適用する技術によって達成される。
表面再結合が、ブラックシリコン太陽電池のボトルネックとなっており、これまでセル効率の向上を阻害してきた。
日照が、低角度で弱い地域でも太陽光発電が可能に
研究をコーディネートした、アールト大学ヘレサヴァン教授は、「一日の日照時間が短く、照射角度も低い北欧では、低い角度から日射を捕捉する黒セルの能力を、従来のセルと比較して、一日の持続時間にわたってより多くの発電を可能にした。」と説明する。
さらに「このことは、特に太陽が年の大部分、低い角度から照射する北欧での発電に有効性がある。同一の効率値を持っていながら、ブラックセルは、従来のセルよりもかなり多く発電することが、冬場、ヘルシンキの実験で実証されている。」と続ける。
チームは、近い将来、他のセル構造にもこの技術を適用することを目標にしている。
「今回は、不純物よって劣化しやすい、p型シリコンを用いて作製したが、さらに効率が高い、n型シリコンまたは、より高度なセル構造を使用して、到達できない理由はない。」と教授は述べている。
研究におけるセルの表面積は、9平方センチメートル。このことも、製品化における成果をアップスケーリングするために、大いに貢献するだろう。
今後、同プロジェクトは、欧州連合(EU)でサポートされている「BLACK」プロジェクト、で継続される予定だ。
詳細のお問い合わせは
ヘレ・サヴァン教授 hele.savinアットaalto.fi TEL+358 50 541 0156
(画像はプレスリリースより)

アールト大学
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