自然エネルギーニュース・コラム
2025年05月05日(月)
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再生可能エネルギーを水素に転換するといいワケ

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再生可能エネルギーを水素に転換するといいワケ

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水素利用の方法とは
太陽光発電や風力発電など再生可能エネルギーの問題は、エネルギー生産地が需要場所から遠く、また発電量が一定しないため電気事業者側で電圧や周波数を安定させるのが困難であるということです。
テクノロジー
水素を利用すれば、それらの問題が解決されます。再生可能エネルギーで発電した余剰電力は、水素に転換することによって系統の電力を安定に導きます。そして製造された水素は状態を変えることによって大量に貯蔵され、遠方の消費地へ輸送し電気として再利用されます。

電気を水素に転換する仕組み
水素はこれまで、化石燃料改質や電気分解、副生水素を利用する方法などで製造されていますが、いずれも安定した電源が必要です。この中で温室効果ガスを排出しないで水素を製造できるのは、電気分解の方法です。

水の電気分解は、水酸化ナトリウムなどのアルカリ水を電解質にして電気を流し、水素を発生させる方法が一般的です。しかしこの方法はエネルギー変換効率が低く、装置が大型化してコストが高くつくなどの欠点があります。そのほかバイオマスを利用した方法もありますがこちらもコスト高が難点です。

水素の輸送方法
水素を輸送するには、水素ガスを液化し液体水素として輸送する方法と、水素をメタン、アンモニア等の化学媒体に転換して輸送する方法があります。そのほかパイプラインを使用する方法がありますが、インフラ整備に時間とコストが必要です。

定置用燃料電池とは
家庭用の定置用燃料電池(エネファーム)は、水素を利用して電気や温水を使用するシステムです。2009年から一般家庭で使用されるようになりましたが、販売開始当初300万円以上したため、それほど普及が進んでいません。今後コストダウンや補助金導入等の取り組みが必要です。

燃料電池自動車の特徴
燃料電池自動車は、電気自動車と比較して走行距離が約500km以上と長く、また水素燃料の充填時間も約3分と短くなっています。またガソリン車のように温室効果ガスの排出もないクリーンな車です。

実用化にあたっては水素ステーションを全国各地に整備する必要がありますが、現在その建築費用は、欧米の1~2億円に対して日本は5~6億円と割高なのがネックです。ただし2015年には、燃料電池自動車が市場に出されるため、当面4大都市圏に100箇所ほど整備される予定です。

大型発電設備での利用
ドイツでは一昨年から2MWの風力発電で生産した水素をパイプラインへ圧入し、天然ガスと共にガスタービン発電の燃料として使用する試験設備が、運転開始されました。またイタリアでは、16MW級で水素専焼方式の発電設備が実証運転中です。

水素を使った未来
今後スマートグリッドを実現させるためには、分散して電気を貯めるシステムが必要です。そのためには蓄電池が欠かせませんが、エネルギー密度が小さく設置場所に限界があります。これに水素が加われば蓄電システムにとって非常に有効となります。

これまで水素は、石油精製や光ファイバーの製造といった産業分野で利用されてきました。そして最近は、家庭用燃料電池や燃料電池自動車が実用化されつつあります。このようにエネルギーの未来は、もうそこまで来てます。
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