FCVの本格普及に向けた取り組み
NEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)は、燃料電池自動車(FCV)の本格的な普及に向け、燃料電池の飛躍的な高性能化・低コスト化、生産性の抜本的な向上を実現するために、新たな研究開発プロジェクトに着手することを発表した。
様々な技術的課題の解決を目指す
日本では、2014年にFCVの市販化を実現し、水素ステーションの整備などを行ってきたが、FCVの本格普及に向けては、固体高分子形燃料電池(PEFC)の低コスト化に向けた白金使用量の低減、車種の拡大に向けた燃料電池の高性能化、燃料電池の生産性の大幅な向上などの技術的課題の解決が必須となる。
このため、NEDOでは、技術開発の推進に向けて、(1)燃料電池の内部構造や反応メカニズムを様々な手法を駆使して解析する技術、(2)商用車への適用を見据えた5万時間(乗用車の10倍)の耐久性評価を可能とする技術、(3)高性能化を実現する新規材料の、燃料電池への適用を可能とする設計指針の創出といった基盤的な研究開発に取り組む。
併せて、生産性の大幅な向上に寄与する新たなプロセス技術等の研究開発も推進していく。
大学や企業グループに委託・助成予定
NEDOでは、様々なテーマの技術開発を行う、大学や企業の研究グループに対し、委託や助成を行っていく予定。
研究開発項目「普及拡大化基盤技術」では、「PEFC開設技術開発」において、「触媒・電解質・MEAの解析、セル評価」「酸化物系触媒の革新的高機能化のためのメカニズム解析」などのテーマ、および「セルスタックに関わる材料コンセプト創出」においては、「先進低白金化技術開発」「高出力・高耐久・高性能燃料電池材料のコンセプト創出」などのテーマが挙げられている。
研究開発項目「プロセス実用化技術開発(生産性の大幅な向上等)」では、「コアシェル触媒の大量生産技術開発」「高信頼性炭化水素系電解質膜のプロセス実用化技術開発」などのテーマで研究が行われる予定。
(画像はプレスリリースより)

NEDO ニュースリリース
http://www.nedo.go.jp/news/press/AA5_100394.html