既設発電所からのヒアリングデータ等を統合
国立研究開発法人森林総合研究所(以下「森林総研」)は、無料で使用することができる、木質バイオマス発電の事業採算性評価ツールを開発したことを発表した。
林地残材や間伐材等と燃料とする、木質バイオマス発電事業の事業性を評価するには、煩雑な計算が必要であるだけでなく、様々な要因の影響を受けやすく、単純ではないという状況だ。
そこで、森林総研では、既に運転を行っている発電所からのヒアリングや文献調査から収集したデータに基づいて、種々の関係を定式化し、これらの式を統合して、木質バイオマス発電事業採算性評価ツールを開発したもの。
このツールを利用することにより、発電規模や燃料バイオマスの種類、買取り価格の違い等の初期条件を様々に変えた場合の多種多様な事業評価を簡単にできるようになり、再生可能エネルギーの固定価格買取り制度における、木質バイオマス発電事業の実施検討に活用されることが期待される。
事業性評価のための詳細データを出力
今回開発されたツールは、汎用性が高く、簡単な入力で多種多様な評価が行えることをコンセプトとし、市販の表計算ソフトMicrosoft Excelを使用していることが特徴。
画面の入力領域は、簡易入力と詳細入力から構成されている。
簡易入力では、発電規模・燃料構成比・燃料購入価格・燃料含水率という4つの項目を入力することにより、評価が可能となっている。詳細入力では、あらかじめデフォルト値が入力されているが、任意の値に変更することで、ユーザーの想定する発電事業を再現することも可能。
出力項目は、燃料消費量・燃料の発熱量・発電所の情報・売電単価・経済性・発電コスト内訳及びキャッシュフローとなっており、燃料価格の上昇に対応した試算も可能である。
(画像はプレスリリースより)

国立研究開発法人 森林総合研究所
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