洋上風力発電設備の建設に鹿島の工法が大きく貢献
建設・設計・開発事業を取り扱う鹿島建設株式会社は、着床式洋上風力発電設備で想定している、モノパイルとトリポッドの2つの基礎形式において、「Kプラットフォーム コンボ」を用いた施工条件と施工手順、そしてコストや工期等を検証。
それにより、洋上風力発電設備に用いる基礎の施工法を新たに確立したと9月29日発表した。
これは同社が先月に発表している、洋上風力発電施設の海上作業構台「Kプラットフォーム コンボ」の開発を更に一歩進め、基礎の施工法として確立させたもの。
「Kプラットフォーム コンボ」とのベストマッチを模索
着床式洋上風力発電設備の基礎形式には、大別するとモノパイル(1本杭)・トリポッド(3本杭)・ジャケット(4本杭)・重力式の、4つの種類があり、洋上風力発電の開発において先進地となる欧州では、通常モノパイル形式を使用する。
だが日本の複雑な海底地盤は、軟弱地盤や岩盤が混在する悪条件のため、場所によっては最適な工法とは言えない。また風車の巨大化に伴い、杭径や杭長が大型化と施工機械に関する制約により、日本では対応が困難などの課題があった。
そこで同社は、港湾区域内用である洋上風力発電設備の作業構台として開発していた「Kプラットフォーム コンボ」を用い、日本の地盤条件に適合可能と予想される、モノパイル形式とトリポッド形式という2種類の施工方法について、それぞれ検証を進めてきた。
洋上風力発電施設のトータルサポートを目指す鹿島
「Kプラットフォーム コンボ」は、洋上風力発電施設の基礎的施工だけでなく、風車組立にも適用可能。そのため洋上風力事業の建設当初から最終的な撤去作業まで、トータルにサポートできることとなる。
また、作業目的に対応したアタッチメントを搭載する、複数の「Kプラットフォーム コンボ」の組み合わせにより、一層効率的な施工も可能となる。
同社では「Kプラットフォーム コンボ」を用いた、洋上での風力発電施設の建設およびメンテナンスや解体までを見据え、各種施工法の検討を推進していく。そして洋上風力発電設備のライフサイクルをトータルな視点でサポートできる技術の整備を確立していくことを目標としている。
(画像はニュースリリースより)

鹿島建設株式会社 ニュースリリース
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