環境税ってなに?
環境税とは、環境に悪影響を与える物質の排出や消費を抑制するために、課税によってその抑制効果を期待するための税金です。
環境税の種類
この環境税は、地球温暖化の原因となるCO2などの排出量に応じて税金を徴収し、CO2の排出を抑える炭素税が有名です。そのほか地方環境税のように、ある地域固有の自然の破壊などに課す税金もあります。この地方環境税には、森林環境税、水源環境税、産業廃棄物税などがあります。
環境税導入のメリット
いちばんのメリットは温室効果ガスの排出量削減が見込めることです。実際に導入しているEUでは、京都議定書の目標値である13%減をクリアしましたが、導入しなかった日本では、6%の削減どころか逆に1.9%増加しました。
さらにこの税金によって、化石燃料から太陽光発電や風力発電、バイオマス発電など自然エネルギーへの転換を、推し進める財源となります。
環境税導入のデメリット
環境税の導入は、産業界の国際競争力に悪影響を及ぼします。また中小企業においては経営状態が悪化し、対応できない会社が倒産したり、雇用を取りやめるという恐れもあります。
また電源構成が異なる電力会社の課税が一律でよいのか。徴収した税金をどのように配分し使用するのか。既存のエネルギー関係諸税との関係はどう調整していくのかなど問題は多くあります。
世界の環境税
もっとも早くから導入が始まったのは、スウェーデン、オランダ、ドイツ、イギリスなどの欧州各国です。これらの国は京都議定書で制定された温室効果ガスの排出量削減目標をクリアしました。さらに北欧のフィンランドでは1990年に、ノルウェーでは1991年から導入されています。
アメリカは産油国のため石油業界などの政治的な圧力が強く、国家単位では導入していません。また世界でいちばん温室効果ガスのCO2を排出している中国は、今年環境税の草案を公表し、大気汚染や水質汚染などに対して、一定の税金を課す方針を打ち出しました。
日本で施行されている地球温暖化対策税
この税金は平成24年4月に閣議決定されました。これは化石燃料ごとのCO2排出原単位を用いて、それぞれの税負担がCO2排出量1トン当たり289円に等しくなるよう設定されています。また、急激な負担増を避けるため、税率は3年半かけて3段階に分けて引き上げられます。
最終的に平均的な世帯で月100円程度、年1,200円程度の負担が見込まれます。平成26,27年度については3分の2(月約70円)程度と考えられます。果たしてこの方式でCO2の排出が削減されるか。結果が待たれます。