「太陽熱」と「太陽光」の違い
近年、再生可能エネルギーが普及し始めたことで「太陽熱エネルギー」や「太陽光エネルギー」といった言葉を聞く機会も多くなったかと思います。「太陽熱」と「太陽光」は似たような言葉であるため、同じイメージを持つ人もいるかもしれません。どちらも太陽の光がエネルギー源なのですが、エネルギーを生み出す仕組みが根本から異なります。
太陽熱発電では、太陽の光により発生した高温の熱を気力発電することで電気が生み出されています。電気を生み出すのに利用される高温の熱は、鏡やレンズなどで太陽炉に集めることで生まれます。太陽光発電では、太陽光を電気に変える太陽電池が使われているため、太陽熱発電とは発電方法がまったく異なります。
現在では太陽光発電の方が主流ですが、太陽熱発電には太陽光発電にはない特徴があります。今回は太陽熱発電のメリット・デメリットを紹介します。
太陽熱発電のメリット
メリットその1:コストパフォーマンスが良い
太陽熱発電の最大の利点は、導入コストが安いわりにはエネルギー効率が良いことです。太陽光発電とは違い、高価な太陽電池を使う必要がないため導入コストは安くおさえることができます。また、太陽光発電のエネルギー効率は20%が限度であるのに対し、太陽熱発電は約50%です。
メリットその2:夜間でも発電可能
太陽熱発電の場合は蓄熱が可能であるため、夜間でも発電することが可能です。太陽光発電は蓄電が困難であり、太陽光がないと発電することができないため、その点太陽熱の方が有利です。
太陽熱発電のデメリット
デメリットその1:雨期に弱い
雨期になると湿度が高くなるため、太陽熱発電だと発電効率が悪くなってしまいます。そのため、日本は太陽熱発電にあまり向いていません。
デメリットその2:広い土地を必要とする
膨大な量のエネルギーを生み出すためには広い土地が必要になります。太陽熱発電は山地よりも平地の方が適性があります。山地が多い日本にはあまり向いていないかもしれません。
向いている地域がある
このように、太陽熱発電には太陽光発電にはない利点が数多くあります。一方で太陽熱発電は向いている地域が限定的であるため、適性がない国が行うのは困難かもしれません。世界的に見ても、積極的に太陽熱発電事業に取り組んでいるのはスペインとアメリカぐらいであり、太陽光発電の方が広く使われています。
今後、技術発展が進み課題が解決されるようになると一気に普及するほどのポテンシャルは持っているため、将来が期待されます。