
近い将来、化石燃料が底をつくと推測されています。そのため自然エネルギーが、にわかに注目を浴びてきました。国も電気の固定価格買取制度や補助金などで自然エネルギーへの転換を推し進めています。
さて一般家庭で発電するには、どういった自然エネルギーが使用可能なのでしょうか。比較的導入が容易なのは太陽光発電です。そのほかバイオマス発電や地理的要因が必要ですが、風力発電、地熱発電、マイクロ小水力発電などがあります。
太陽光発電を導入するには
太陽光発電は、戸建てであれば比較的容易に設置が可能です。この発電方式は、エネルギー変換効率が悪く10%程度ですが、最近効率のよい商品が開発されたというニュースもあります。効率が改良されれば売電量が多くなり、コストの償却はより早くなります。
この発電は一般的にメンテナンスフリーと言われていますが、影が出来たパネルに不良が出たり、換気の問題で機器の故障が出たりするので点検は欠かせません。また業者の選定を誤ると、パネルの破損や雨漏りなどで思わぬ出費が発生する危険性もあります。
一挙両得なバイオマス発電
昨年、電気事業法が改正になり、「10kw未満のスターリングエンジン発電」が一般電気工作物となりました。これにより家庭でもスターリングエンジン発電の導入が可能となりました。
このスターリングエンジンの燃料は廃棄物などのゴミや、家畜の糞などから発生させたメタンガスでも使用可能で、各自治体が頭を悩ませているゴミ問題にはうってつけです。
話題の地熱発電とは
地熱発電の一種に、源泉を利用したバイナリー発電があります。設置場所は温泉地に限定されますが、90℃の源泉をそのまま使用出来るので機器がコンパクトで設置が容易です。このため今後多くの温泉施設に導入が見込めます。
家庭で風力発電は可能?
風力発電は、風をブレード(羽)で受け、ダイナモのような発電機で電気を取り出します。この産業用風力発電のブレードは100m前後あります。家庭用として販売されている装置のブレードでも1m近くあり、ブレードに人や鳥が触れないよう対処する必要があります。
また家庭用風力発電の出力は強風でも数10W程度なので、街路灯や非常灯などの独立電源システムか、趣味の延長程度に考えた方がよさそうです。
マイクロ小水力発電とは
マイクロ小水力発電は、小川や用水路の流れを利用した発電です。機器の設置は容易で、効率も高い発電ですが、水の利権が複雑で国の許可も必要なため、あまり普及していません。
またこの発電設備は、水路に木の枝や枯れ葉、ゴミなどが流れてくるため、ひんぱんに清掃を行う必要があります。さらに台風など大雨による洪水で破壊される危険性もあります。
家庭での今後の課題は?
近年、ハイブリッド車が急速に普及し、脱ガソリンの流れが増してきました。国は2050年に100%の電力を自然エネルギーでまかなう目標を掲げております。この目標達成には、産業界のみならず各家庭においても自然エネルギーを導入することが不可欠です。