ハイブリッド蓄電池で電力の安定供給を実現
日立化成株式会社は、エクアドル共和国ガラパゴス諸島の出力安定化システム向けに、ハイブリッド蓄電システムを富士電機株式会社より受注し、10月に納入することを発表した。
出力安定化システムを導入することにより、自然エネルギーの発電状況に応じて蓄電システムの充放電を高速に制御することができ、電圧や周波数の不安定化や電力品質の低下などの影響を緩和することができる。
その出力安定化システムに使用する今回の蓄電システムでは、鉛蓄電池とリチウムイオン電池のハイブリッド蓄電を行うことにより、天候に左右されやすく、不安定な自然エネルギー発電の出力の平準化を目指すものだ。
同社のシステムでは、基幹電源を鉛蓄電池「LL1500-W」とし、低コストで電力を貯蔵できる鉛蓄電池が、島内の電力需要変動や太陽の高度変化などによる緩やかな発電電力変動を吸収する。それに対し、エネルギー密度が高いほか、スピーディな充放電が得意なリチウムイオン電池が、気象の急変などによる急激な発電電力変動を吸収する。
こうして、2つの蓄電池の特長を活かすことにより、省スペース、低コストで発電・需要変動を調整することが可能となった。
豊かな自然環境の保護に貢献
ガラパゴス諸島には、いわずとしれた豊かな自然環境と、生態系における固有種が数多く存在している。
これまでガラパゴス諸島では小規模火力発電によって電力供給を行ってきたが、温室効果ガスによる環境への影響が深刻な問題となってきた。
そこで、エクアドル共和国政府は、2007年より、2020年までにガラパゴス諸島での化石燃料の使用をゼロにすることを目指し、風力、太陽光、バイオ燃料などの自然エネルギーを利用した発電を導入し、自然環境の保護に努めている。
2010年には、日本政府とエクアドル共和国政府は、エクアドル共和国に対する環境プログラム無償資金協力である「太陽光を活用したクリーンエネルギー導入計画」で協力をすることで同意、日本からも、再生可能エネルギーの普及や電力の安定供給のために、様々な技術支援や援助を行っている。
(画像はプレスリリースより)

日立化成
http://www.hitachi-chem.co.jp