発電量を求めるには
太陽光システムの発電量は、製品の型式、システム容量、設置条件に依存するほか、地域、日射量、気温、設置角度など、さまざまな条件によって変化します。
太陽光発電量の計算式
発電量 = システム容量 × 日射量 × 損失係数
日射量は多いほど発電量は増加し、また、日照時間も長い方が1日あたりの発電量は増加します。
独立行政法人・新エネルギー産業技術総合開発機構(NEDO)のサイトにある日射量データベースを使えば、各地の月別日射量を求めることができます。
では、夏と冬では、日射量が多く日照時間の長い夏の方が発電量が多いのでしょうか。ここで気になるのが損失係数です。損失係数は、下記の式から導くことができます。
損失係数 = 温度による損失係数 × パワーコンディショナー変換効率 × その他の補正係数
温度による損失が特に大きいとされています。それを裏付けているのが、日本全国で発電効率が1位となっているのは日射量が多い沖縄県ではなく、「長野県」となっていることです。また、長野県は標高が高いため太陽に近いという点もあり、大手メガソーラーがこぞって設置を検討していたほどです。
引用元:グリーンエネルギーナビ
http://www.green-energynavi.com/気温による損失係数の差は冬期が90%であるのに対して、夏季は80%と10%も差があります。せっかく日射量が多く、日照時間が長くても気温によってロスが生じてしまうのは、もったいないですね。
例えば東京都府中の月次発電量は、5月が409kWh/月、8月が378kWh/月、12月が263kWh/月で、年間で発電量が多いのは、日射量の多い真夏や気温の低い冬ではなく、5月頃ということになり、146kWhも差があります。
設置角度の調整
ソーラーパネルの設置に関しては、一番日射を多く受け止めるのは南向きの設置角度30度ぐらいと言われていますが、実際の設置にあたっては最適な発電量を求めて角度を調整します。
例えば、東京電力初のメガソーラーである浮島太陽光発電所では、角度の違いによる発電量、風圧荷重の大きさなどを検討した上で、設置角度を10度に設定しているそうです。
この浮島太陽光発電所に隣接する、川崎市のかわさきエコ暮らし未来館では、地球温暖化や太陽光発電などの再生可能エネルギー、資源循環が学べると共に、展望スペースから浮島太陽光発電所を見ることができます。
(画像はイメージです)