注目される太陽光発電
近年、太陽の光を利用した発電方法が注目を浴びています。2016年には電力の自由化が実施されるといった動きもあり、太陽光発電は私たちの生活の中でより身近なものになろうとしています。中には自作で太陽光発電所を作っている人もおり、太陽光発電所の構成は想像しているほど複雑なものではないといえます。
太陽光発電の仕組み
太陽光発電所が太陽の光によって発電することが可能になっているのは太陽電池が組み込まれているためです。この太陽電池は「セル」と呼ばれるものです。セルは太陽の光エネルギーを電力に変換する装置であり、最も重要な役割を担っています。太陽電池と呼ばれていますが、蓄電機能はなく、発電するために使われます。
太陽電池セルにもシリコン系、化合物系や有機系とさまざまな種類があり、それぞれが特徴を持っています。たとえば、シリコン系は太陽光を電気に変換する効率が高いものがほとんどです。しかし、その分作るのに手間がかかっているため高コストになりがちです。また、化合物系は気温の変動に強いものが多いという特徴があります。
セル単体ではわずかな電力しか発電できません。より多くの電力を発電するには複数のセルを複数枚連結させる必要があります。この複数のセルをつなげたものが太陽光パネルです。一般的に太陽光パネルと呼ばれていますが、正式には「モジュール」と呼ばれます。モジュールの多くは長方形で、縦横1m前後、厚さは数cmほどです。
さらに多くの電力を発電したい場合には、モジュールを複数枚連結させます。このモジュールを連結させたものを「アレイ」と呼びます。一般的に見る太陽光発電所はこのアレイの形になっています。大規模な太陽光発電所になると、このアレイが大量に設置されることで膨大な量の発電が行われています。
このように、太陽光発電所の仕組みはかけ算の仕組みになっています。たとえば、2000W(2kW)の電力を生み出したいとします。そして、200Wのモジュールがあった場合、2000W生み出すためには10枚のモジュールが必要になります。つまり、理論上はモジュールを集めれば集めるほど電力が生み出せるということになりますが、ここにパワーコンディショナなどの問題が加わるため、一概にはそうとはいえないのです。
身近になりつつある太陽光発電
いまや太陽光発電は自作でも作れるものとなっています。構成や仕組みも理解できないほど難しいものではなく、電力の自由化が実施されることもあり、これからの電力のあり方を大きく変えると思われます。