水車の歴史
現在、数は少ないようですが日本の水田にある水車や、高知県の石の風車、さらに三連水車および二連風車などを見たことがある人もいると思います。
水車の歴史は紀元前2世紀頃に、アナトリア半島 (小アジア)で誕生し、最初はあまり使われなかった水車も、中世時代頃からヨーロッパで頻繁に利用され始めました。その後ヨーロッパほど普及しませんでしたが、中国やイスラムでも使われ、現在イスラム観光スポットでは「ハマーの水車」が有名です。
また日本などには平安時代頃から灌漑(かんがい)用の水車が登場したことが記述されており、穀物の製粉などの為に役立つ動力水車の利用は江戸時代頃からでした。
水車とは?
財団法人 とうきゅう環境浄化財団の資料によれば、水車は「水の持つエネルギーを、機械的なエネルギーに変える機械」です。また水車には「横に回転するタイプ」と「縦に回転するタイプ」がありますが、実際利用されているのは縦型タイプの水車が多いです。
用途別に【揚水水車】と【動力水車】に区別されており、揚水水車の構造はバスケットなどを先に設置し、水車の設置と一緒に水をくみ上げる仕組みになっており、福岡県にある三連水車は揚水水車のシンボル的存在です。
また水のかけ方も【下掛け】【中掛け】【上掛け】の3種類があり、上掛けは最も効率的で山の傾斜エリアで利用されます。通常、水車と呼ばれている水輪形体の種類は100以上あるといわれていて、水輪の材料は腐敗しにくい木の素材が選ばれており、青森ではヒバ、熊本はアミスギなど地方の風土に影響された材料が用いられています。
進化する水車
水車も日々発展しており、現在は流れる水を上手に利用して発電させる、JAGシーベル株式会社のマイクロ水力発電機【ストリーム水車】も登場しています。
小水力発電は通常1000キロワット以下の発電を示す場合が多く、ストリーム水車にはバイパス式と開水路式があります。設置方法は開水路に付けるだけの簡単さとともに、コストも低めで、農業用の水路や工場の排水路、下水道施設発電所の水路など利用方法は幅広いです。