さくらインターネット、高効率の給電が可能に
レンタルサーバなどのインフラサービスを提供する、データセンター運営の老舗企業さくらインターネット株式会社は、同社が建設した「さくらインターネット 石狩太陽光発電所」から同社が運営する石狩データセンターへの送電を開始したと発表した。
同センターでは既にHVDC12V方式を採用しており、従来のAC方式のような合計3回のAC/DC変換を必要とせず、電力会社から送電された電気を直流に変換する際、1回だけのAC/DC変換で済む設計となっている。
電気は変換する際に必ず電力損失があるため、変換を1回だけに抑えた場合、AC方式の場合70~80%だった送電効率がHVDC12V方式だと90%まで上昇する。
それに加え太陽光発電所で作られる電気は直流なため、通常の電力会社から供給された交流電力と違い、送電の際も変換の必要がない。そのため発電所から一度の変換もなく、専用のサーバルームに送電されることになる。それにより送電ロスは限りなく少なくできる。
自社専用の太陽光発電所の開設
消費電力の削減には、どこのデータセンター事業者も頭を悩ますところ。巨大な電力を消費するため電気使用量は経営に大きく影響する。
同センターがフル稼働したとすると、約4,000ラック分のサーバの電力が必要となり、太陽光発電所で作られた電気を電力会社などに売ることなく、全量自社利用ができると判断し太陽光発電所の開所となった。
なお同発電所は、給電状況を自動で判別、天候の影響で十分な発電ができない状態のときは交流系統から、停電などの場合はバッテリーから給電できるシステム(優先制御)となっている。
また発電量を最大限に引き上げる制御機構を備えた製品の採用により、再生可能エネルギーの高効率な利用を推進している。
(画像はプレスリリースより)

さくらインターネット ニュースリリース
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