未来のエネルギー、メタンハイドレード
みなさんはメタンハイドレードというものをご存知でしょうか。現在使用されている燃料資源は石油や天然ガスなどの有限資源がほとんどです。近代化による化石燃料の大量消費のため、これらの燃料資源が枯渇するのではないかと現在危惧されています。そういった状況の中で、メタンハイドレードは今後化石燃料に取って代わり使われるであろうとされる新たなエネルギーとして注目を集めています。
メタンハイドレードの特徴
メタンハイドレードは、メタン分子と水分子の二つから成る水和物の固体です。このメタンハイドレードは、火を近づけると燃えることから「燃える氷」と呼ばれることもありますが、氷の構造とは異なるため厳密には氷ではありません。メタンハイグレードは減圧するか温度を下げるかすると、水とメタンガスに分解され、メタンガスを放出しながら溶けていき、最終的には水だけが残ります。
メタンハイドレードの最大の特徴は、そのかごのような分子構造からメタンガスや二酸化炭素、硫化水素等を閉じ込めることができる点です。このガスを分離したときに排出されるメタン分子は天然ガスの主成分と一致するものであり、石油や石炭などにに比べ排出される二酸化炭素量はおよそ半分、硫黄酸化物はほぼ排出されません。。そのため、環境問題対策に有効なエネルギーであるとされています。
今後どのように活躍していく
メタンハイドレードは、安部政権が「2018年度を目安に商業化を実現させる」と宣言しているほど期待されているエネルギーです。資源が乏しい日本は、化石燃料資源の大半を海外から輸入しています。そんな中で、日本近海には天然ガス100年分のメタンハイドレード埋蔵量、特に日本海側に多く埋蔵されているとされており、今後の日本を救う資源として期待されています。そのため、現在日本ではメタンハイドレードの採掘、および実用化を目指す動きが大きくなっています。
メタンハイドレードの実用化が進む一方で、それに伴う様々な課題も指摘されています。まず、メタンハイドレードの採掘方法として減圧法などのプランがありますが、それらには莫大な費用がかかることが挙げられています。また、仮に採掘できたとしてもその過程で放出されるメタンガスによる地球温暖化促進や地震を誘発する可能性が危惧されています。今後日本は、メタンハイドレード実用化に向けて様々な問題を解決するのが課題になっていきます。