自然エネルギーの定義
自然エネルギーとは、自然現象から採集できるエネルギーの総称である。そして、自然界によって利用する以上の速度で補充されるエネルギー全般を指しており、再生可能エネルギーとも言われている。このエネルギーは、石油をはじめとする、枯渇が危惧される資源との対比で用いられることが多く、太陽光、風力、波力・潮力、流水・潮汐、地熱、バイオマス等がある。
これらのエネルギー源の特徴は、自然の力で定常的、または反復的に補充されるものであり、発電、給湯、冷暖房等、エネルギーの需要形態に合わせて幅広く用いられることである。ここでは、自然エネルギーの種類と今後の見通しについて以下に述べる。
自然エネルギーの種類
自然エネルギーは二酸化炭素等の地球温暖化の要因となるガスの排出が少ないクリーンエネルギーである。反面、自然現象に由来するため、安定した発電量の制御が難しい等、普及に課題が残されている。
また、自然エネルギーは、原子力エネルギーのように、設備トラブル時の放射能による汚染リスクが少なく、安全性の高いエネルギーである。実用化されている自然エネルギーの具体的な事例として、代表的なものとして以下に記載するものがあげられる。
① 太陽光発電
② 風力発電
③ 太陽熱利用
④ 温度差エネルギー
⑤ 廃棄物発電
⑥ 廃棄物熱利用
⑦ 廃棄物燃料製造
⑧ バイオマス発電・熱利用・燃料製造
⑨ 雪氷熱利用
自然エネルギーの今後の見通し
自然エネルギーは、二酸化炭素等の地球温暖化の要因となるガスの排出が少ないこと等から、環境へ与える負荷が小さく、化石燃料の代替エネルギーとして期待されている。また、エネルギーの安定供給の確保、地球環境問題への対応に資することから、持続可能な経済社会の構築に寄与するとともに、新規産業・雇用の創出等にも貢献する等、自然エネルギーを活用することは、様々な意義を有している。
そして、エネルギーの大部分を海外に依存している日本にとって、自然エネルギーは、国産エネルギーとしてエネルギーの供給構造の多様化に貢献することが期待されている。
例えば、太陽光発電や風力発電などの自然エネルギーは、無尽蔵で枯渇の心配もなく、地球温暖化の原因となる二酸化炭素の排出量が少ない。太陽光発電は、電力需要量の最も多い昼間に多く発電するため、電力負荷平準化に期待されている。
自然エネルギーは、環境負荷が小さく安全性も高いことから、今後のエネルギーとしての活用が期待されている。そして、自然エネルギーは、技術的な課題が解決されてきていることから、例えば風力発電は広く普及し始めている。
自然エネルギーによる発電方法は、風力以外に水力発電や地熱発電、研究開発段階にある波力発電や海洋温度差発電など、様々な技術開発が行われている。