太陽光発電や買電を効率的に組み合わせ
横河電機株式会社の子会社である横河ソリューションサービスは、トヨタ自動車株式会社が代表を務める宮城県大衡村のF-グリッド宮城・大衡有限責任事業組合(F-グリッド宮城・大衡)に納入した地域エネルギーマネジメントシステム(CEMS)が、本格稼働をスタートさせたことを発表した。
このCEMSは、F-グリッド宮城・大衡が保有するコージェネレーションシステムと太陽光発電システムで作られた電力や蒸気・温水などの熱エネルギー、さらには電力会社から購入した電力を、先的な割合バランスにするように制御し、F-グリッド宮城・大衡の工業団地内の需要家に、効率的に電力や熱を特定供給するものである。
エネルギーコストの削減を実現
さらに、F-グリッド宮城・大衡のCEMSは、エネルギー需要量と相関の強い工場固有のデータを取り込んで各工場のエネルギー需要を予測する機能もあり、予測値から供給最適化演算を行い、コージェネレーションシステムの稼働計画等の供給計画を立てる。
こうした特長により、F-グリッド宮城・大衡は、2013年4月から2015年3月まで行われた実証試験で、CEMS導入以前と比較してエネルギーコストの約20%を削減することに成功した。
今後は、予測値を活用して、予測値と実績値を比較して差異を分析することで、省エネ活動を一層推進していく。
非常時には防災拠点等に送電
非常時には、F-グリッド宮城・大衡が自家発電設備で発電した電力を、電力会社が購入し、防災拠点等に電力を供給するようになっているが、さらに、蓄電システムと各工場に導入された給電機能を持つプラグインハイブリッド車を、地域全体のエネルギー需要がひっ迫した際に、電源として活用できるよう連携も行っている。
日本のエネルギー政策では、地域や工場地帯におけるエネルギー需給調整を最適化していくことが必須となり、F-グリッド宮城・大衡のような地域連携による分散型エネルギーインフラのニーズが高まっていくことが予想されている。
(画像はトヨタ自動車HP内「F-グリッドを核としたスマートコミュニティ事業の概要」より)

横河電機株式会社
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