再生可能エネルギー先進地カリフォルニア州に設置
NECとNECのスマートエネルギー関連会社であるNECエナジーソリューションズは7月7日、カリフォルニア大手電力会社であるサザンカリフォルニアエジソンに大型蓄電システムを納入した。
再生可能エネルギーの総発電量に占める割合が約5.6%と少ないアメリカだが、カリフォルニア州は19.6%とヨーロッパ諸国と比べても遜色ないレベルであり、設置する場所はそのカリフォルニア州の中のオレンジ郡である。
他州に比べ再生可能エネルギーの比率が多い背景には、シリコンバレーで研究開発される最先端のグリーンテクノロジーによる膨大な投資マネーが集まることにより、州の経済を活性化するという経済的理由と、強風の吹く場所や少雨乾燥な砂漠地帯が多く、再生可能エネルギーが活用しやすい自然条件に恵まれた環境を併せ持つためである。
また環境悪化や2000年夏から翌年にかけて起きた大停電を経験したことが、再生可能エネルギー拡大政策に対する地域住民の理解につながっている。
米国内での再生可能エネルギーの先進地であるカリフォルニア州では、太陽光を初めとした再生可能エネルギーを活用した発電が今なお増加中。2020年までには33%以上の再生可能エネルギー導入を義務づけられており、さらには2030年までに50%以上の導入義務が現在検討されている。
ただしこの再生エネルギーの内容には大規模水力発電は含まれておらず、それを除外した狭義の自然エネルギーだけの数値である。
再生可能エネルギーを支援する大型蓄電システム
再生可能エネルギー、特に太陽光は昼夜間などの発電量に大きな差が生じるという課題が残る。そこで日中発電した余剰電気を蓄えることにより一日を通して安定した電力供給が可能となる。
再生可能エネルギー利用の拡大に伴い大規模な蓄電システムの必要性に迫られ、カリフォルニア州は2014年度より、州内の大手公益企業に対し蓄電池や関連技術の強化を義務づけており、2024年には1,325メガワット相当の蓄電を目標とした計画が示された。また規制当局は各企業に対して蓄電設備の購入やリースも要求している。
カリフォルニア州が目指す蓄電システムは全米でも例のない規模でこの計画が成功すれば、他の州も手本として同様の対策を採るだろうと専門家などは指摘する。
そういった背景を元として同システムは将来的に、より効率的安定的な電力網の基盤としての役割を負い、同電力会社における配電網の安定化を後押しする初のシステムとなり、同電力会社が保有する配電網の負荷軽減のために利用されることになる。
なお、同システムは出力2.4MW、容量3.9MWhという大型の蓄電システムだが、7週間という短期間での構築を達成。配電網の安定化を迅速に実現し、顧客満足度の向上に貢献している。
(画像はプレスリリースより)

NEC ニュースリリース
http://jpn.nec.com/press/201507/20150707_02.htmlNews2u.net
http://www.news2u.net/releases/137323