3次元構造を持つグラフェンを用いた高性能な水蒸気発生材料の開発に成功
太陽光を利用する方法の一つとして太陽光を集光することで水蒸気を発生させ発電に使用する太陽熱発電が試みられている。
東北大学(総長:里見 進)原子分子材料科学高等研究機構(機構長:小谷 元子)の伊藤良一助教、陳明偉教授らは、3次元構造を持つグラフェンを用いた高性能な水蒸気発生材料の開発成功を発表した。
水蒸気への変換効率が劇的に上昇
太陽光を集光し水に当てて水蒸気を発生させようとすると、加熱された水は対流現象や熱伝導によって熱が拡散し、水蒸気の発生効率を高めることができない。
窒素を導入した3次元ナノ多孔質グラフェンに太陽光を当てて水蒸気を発生させると、そのミクロサイズの孔内に捕らわれた水が集中的に加熱されて熱が拡散することなく容易に高温化でき、水蒸気への変換効率が従来の56%(グラファイト粉を用いた材料)から80%と劇的に上昇した。
太陽光の熱エネルギーの用途を拡大
太陽光を当てて効率的に水蒸気を発生させることができるので、太陽光の熱エネルギーの利用用途を蒸発・濃縮の用途に拡大することになると予想される。例えば、海水の真水化、汚染水の濃縮・浄化等に適用できると期待できる。
(画像は科学技術振興機構ホームページより)

太陽光を活用した高効率水蒸気発生材料の開発~多孔質グラフェンを用いた太陽熱エネルギーの高効率利用へ~
http://www.jst.go.jp/pr/announce/