食品廃棄物を活用した「小牧バイオガス発電所」
アーキアエナジー株式会社は7月12日、愛知県小牧市下末に、食品廃棄物を活用したバイオガス発電施設「小牧バイオガス発電所」を建設する、と発表した。
総工費約35億円、出力1,575kW、発電容量773万kWhのバイオガス発電施設
わが国の食品廃棄物は、2010年には年間約1,700万tとなり、そのうち再生利用されるものは400万tに過ぎず、残りの1,300万tは焼却処理されている。食品廃棄物がリサイクル活用されない主な理由は、再生施設不足である。
2012年に始まった再生可能エネルギー固定価格買取制度(FIT)により、バイオガス発電所の計画は増大したものの、その多くは農家の家畜糞尿や地方自治体の下水処理場を活用したものである。
民間が主体となり、民間資本による食品廃棄物を原料とする再生施設建設計画はほとんど無かったという。
その理由として、再生施設の中心となる廃棄物処理業者は、中小企業が多くて資金調達力が弱く、金融機関も案件評価が困難であった。
また、食品廃棄物を活用したバイオガス発電施設を建設する場合、農林水産省、環境省、経済産業省、それぞれに個別折衝が必要となり、許認可のハードルが高いことも原因であった。
アーキアエナジーは、食品由来の産業廃棄物処理からバイオガス発電所の運営、およびファイナンスのノウハウを蓄積し、これらの問題点をクリアしたという。
愛知県小牧市の全面協力を得て、食品残渣の中間処理施設および発電施設「小牧バイオガス発電所」を建設する。総工費は、約35億円とのこと。
発電所は、1,575kWの発電機を24時間稼働し、年間773万kWh、一般家庭約1400世帯分に相当する電力を供給する。日量80tの食品残渣は、すべて施設近隣地域および愛知県内から調達する。
着工は平成30年の中ごろ、発電開始は平成31年7月の予定で、売電先は、中部電力の予定とのこと。
アーキアエナジーは、地産地消、民間資金による完全なプロジェクト・ファイナンス方式で資金調達、建設工事および運営を可能な限り地元企業に委託、という地域貢献型でプロジェクトを推進するという。
(画像はアーキアエナジー株式会社のHPより)

アーキアエナジー株式会社のプレスリリース
http://www.archaea-energy.co.jp/