自然エネルギーの新たな課題
自然エネルギー政策により、全国に立地され始めている「メガソーラー(大規模太陽光発電施設)」。しかし、必ずしもそのすべてが地元に受け入れられるものではなさそうである。
大分県北西部に位置する中津市では、同市内で一定規模以上の太陽光発電の設備を設置する場合、中津市景観条例による協議と景観法による届出の手続きが必要になる。同市では良好な景観を保全し中津らしい景観を形成するため、理解と協力を求めている。
雰囲気を守る
中津市は、名勝耶馬渓や旧城下町のように自然や歴史・文化的な景観資源に恵まれている。そこで、2006年7月に、同市は、景観法に基づく景観行政団体となり、良好な景観形成に向けた取組を進めている。
また、2010年より、景観条例を施行し中津市全域に景観計画を定めている。一定規模以上の建築物の新増築等、外観や色彩の変更、工作物の設置、開発行為、太陽光発電設備の設置などを行う場合には、協議と届出の手続きが必要となる。
一定の規模以上の太陽光発電設備を設置する場合については、2013年に、景観法の規定に基づく届出対象となる工作物に指定された。
この条例は、2014年以降に設置工事を着手する物件について適用している。工事を着手する場合は、中津市景観条例に基づき工事着手の60日前までに事前協議をし、工事着手の30日前までに景観法に基づく届出を行う。
同市では、届出内容について、景観の専門家などで構成する第三者機関の景観審議会等に諮り、必要な場合は、計画の策定や変更、行為の制限などの勧告等を行う。
メガソーラー建設に住民反対 秋田県仙北市
秋田県東部にある仙北市では、同市で初めてになるメガソーラー建設をめぐり、地元住民団体が建設反対の文書を事業者や市に提出した。
メガソーラーの事業者は、昨年9月に設立された、日高建設など地元4社でつくる会社「せんぼくおひさまプロジェクト」。事業者はこれまで、説明会を計3回開催したが、住民側から「説明が不十分」「自然豊かな景観が損なわれる」などの反対意見が多く出ていた。
計画では、県立自然公園・抱返り渓谷から西に約2キロの県道沿いの空き地約3・4ヘクタールに太陽光パネル約6500枚を設置、最大出力1709キロワットを見込んでいる。
景観か、環境か― メガソーラーは、新たな困難を迎えようとしている。
(画像はイメージです)

大分県中津市 HP
http://www.city-nakatsu.jp/秋田県仙北市 HP
http://www.city.semboku.akita.jp/