風力発電を主に遠隔出力制御システムの開発・実証に着手
NEDO(国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構)は6月26日、「電力系統出力変動対応技術研究開発事業」の新たな研究開発テーマとして風力発電の遠隔出力制御システムの開発に着手すると発表した。
これは、今後新たに系統連系する風力発電と太陽光発電に関して、今年1月の再生可能エネルギー固定価格買取制度の省令改正による、「遠隔出力制御システム」の導入が義務化されたことに対応するためのもの。
遠隔出力制御システムの目的
再生可能エネルギーと言われる風力発電や太陽光発電等は、風の有る無しや晴天・雨天など天候の変化により作られる電力量が変動することから、電力の安定供給に支障を来すことになる。
そこで再生可能エネルギーのモニタリングシステム構築による出力予測の高度化、系統運用機関の遠隔出力制御システムの開発やシステム全体の最適化などを研究・開発することで、不安定な電力量を最適となるよう制御するものである。
具体的な研究開発内容
東北地域において大小さまざまな規模の風力発電や太陽光発電設備を選定し、発電出力のモニタリングシステムを構築。そのデータを用いて出力変動状況を把握・分析し、時間単位、地域単位等のきめの細かい出力制御を実現するための出力予測技術の高度化を実施。
また、太陽光発電の遠隔出力制御システムの仕様を参考に、風力発電設備における出力制御装置や通信方式の標準化と低コスト化で、最適な全体システム構成を検討。
そして公平性を保てる出力制御量の配分決定方法の研究、通信方式に応じた最適な出力制御方式を開発、配信事業者を活用した出力制御の効果について検討する。さらに中央給電指令所や制御所などからの最適制御方式について検討し、制御指令による検証を実施する。
検証に関しては、伊藤忠テクノソリューションズ株式会社、東北電力株式会社、通研電気工業株式会社、国立大学法人東北大学に委託予定。
なお事業期間は、2015年度から2018年度までの4年間としている。
(画像はニュースリリースより)

NEDO
http://www.nedo.go.jp/news/press/AA5_100403.html