陸上/洋上風力発電システムの世界市場調査結果を発表
株式会社富士経済は12月27日、再生可能エネルギーの中で太陽光発電に続き注目される風力発電システム市場について、調査結果を報告書「World Wide陸上/洋上風力発電市場の現状と将来展望2017」にまとめたと発表した。
同報告書は、陸上および洋上の風力発電システム市場につき詳細分析を行い、主要なコンポーネントや材料、およびサブコンポーネントといったシステム構成要素のほか、今後増加が見込まれるサービス市場についても調査し分析したものとなっている。
陸上システムの世界市場については、2015年に過去最高導入量となり世界市場の5割を占めた中国が、FIT価格低下や新設規制から2016年は縮小を見込むものの、「第13次5カ年計画」で2020年の導入目標を210GWに引き上げていることから、2017年以降は拡大していくと予想している。
今後は米・欧のリパワリング市場が活発に
当初から風力発電システム市場を牽引してきた欧州は、リパワリング市場の成長は見込まれるものの、一部でFITから入札制度に変更しつつあることから、2020年以降は市場が縮小するとみる。
また米国は、発電量に応じ税金を還付するPTC制度の失効で2016年はマイナス成長を見込むが、2019年までの延長が決まったためプラスに転じるとみるほか、今後は大型風車による大規模システム開発などリパワリング市場が活発になるとみている。
さらに、現在大きく需要が伸びているブラジルを筆頭にインドやカナダなどが拡大しつつあり、2030年台には中南米、インド、アフリカ、中東などが中国と肩を並べる規模にまで需要が拡大すると予想している。
一方、洋上システムの世界市場は、牽引していたイギリスのほかドイツで稼働案件が集中したことから2015年に3GW超となった。2016年は、洋上FITの始まった中国市場の本格化と、米国での初稼働が見込まれるものの、本格的な市場形成は2020年代後半になるとみている。
(画像はプレスリリースより)

株式会社富士経済 プレスリリース(日経プレスリリース)
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