地産地消による地域活性化での普及・教育活動など
学校法人近畿大学は11月25日、開発した次世代バイオ固形燃料「バイオコークス」研究での「世界のエネルギー資源の礎となる近大バイオコークスのブランディング」事業が、文部科学省が進める「平成28年度私立大学研究ブランディング事業」として11月22日に選定されたと発表した。
これは、今年から重点的に支援する事業として同省が公表したもの。同大学としては4つのブランディングテーマで取り組むとし、地域の廃棄・未利用バイオマス資源の用途を見据えたバイオコークス活用のための検証を行い、地産地消による地域活性化での普及・教育活動などを行うという。
また、植物性廃棄物等のバイオマス資源から製造する次世代固形燃料「バイオコークス」が、世界のエネルギー資源枯渇を防ぐ全学を代表する一研究となることを目指すとのこと。
環境負荷を低減する新しいエネルギーとして期待
そして、未利用バイオマス資源を活用した地域循環型社会の構築から、アジアでの大規模なエネルギーの代替、次世代エネルギーに関する教育まで、幅広いテーマに取り組むとしている。
元々バイオコークスは、同大学バイオコークス研究所所長・教授の井田民男氏が、2005年に開発した次世代のバイオ固形燃料で、工場などから大量に排出・廃棄される木くずや茶かすなどのほぼ全ての光合成由来バイオマスから製造可能で、製鉄・鋳造炉で燃料として使われる石炭コークスの代替燃料になるという。
同燃料には、「原料の100%を活用できる(製造時に新たな廃棄物が出ない)」、「石炭コークスよりCO2排出量を削減できる(植物由来のため排出量はゼロ扱い)」、「食糧や飼料を原料として消費せずに済む(ほぼすべての植物由来廃棄物が原料になる)」といった、3つの特徴がある。
さらに、石炭コークスの代替としてだけでなく、家庭用燃料を含む種々の用途での活用が見込まれ、環境負荷を低減する新しいエネルギーとして期待されている。また2012年には、「平成23年度新エネ大賞資源エネルギー庁長官賞」を受賞している。

近畿大学 プレスリリース(News2u.net)
http://www.news2u.net/releases/150434