太陽電池ストリングで情報を伝える新技術PPLC-PVを発明
東京大学大学院情報理工学系研究科の落合秀也講師は11月7日、太陽電池ストリングで情報を伝える新技術PPLC-PVを発明したと発表した。
太陽光発電所の運営には、太陽電池モジュールの稼働状態監視が大きな課題となっていて、モジュール1枚が正常に発電しなくなると、全体の発電効率が1枚の欠損以上に落ちることが知られている。
一方、全体の出力に異常が観測されたとしても、目視ではモジュールの異常判別がつかず、異常原因の特定は、現地でテスターを使って調査するなど、手間と労力がかかっていた。このため、異常が発生してから、原因特定、修繕、発電量回復までに多くの時間を費やしている。
太陽電池モジュール自体に保守機能を持たせることが可能
今回の発明は、太陽光発電所の稼働率向上につながる新しい通信技術で、太陽電池モジュール製造時に同技術で開発した安価な通信装置を取り付けるだけで、太陽電池モジュール自体に保守機能を持たせることができるようになるという。
これにより、パネルメーカによる通信機能付き太陽電池モジュールの製造、太陽光システム施工会社によるモジュールレベル保守サービスのIT化、稼働率向上による電力生産性の向上につながることが期待されるとしている。
なお、この研究の詳細は、豪州シドニーで開催されるスマートグリッド通信に関する国際会議「IEEE SmartGridComm 2016」にて、11月7日(現地時間)に発表するとのこと。

東京大学 プレスリリース(日本経済新聞)
http://release.nikkei.co.jp/