世界と比べコストの高い風力発電
資源エネルギー庁は10月18日、風力発電競争力強化研究会の報告書を公表した。
世界的に導入が進んでいる風力発電だが日本においては、環境アセスメント、地元調整、系統制約等開発段階の課題などがあり、規模も小さく施行コストも高い。世界平均の発電コストと比べると1.6倍となっており、この分野で競争力があるとは言えない。
報告書はこれらの課題解決、導入拡大、競争力強化についての提言がまとめられている。
世界的には風力発電の導入が進んでいるが
世界の風力発電導入状況は2015年末時点で累計432GW、2015年の年間導入量は63GWとなっており、その内訳は中国30GW、米国8.6GW,ドイツ6GW、ブラジル2.8GW、インド2.6GWの順となっている。
一方日本では累計3GW、直近の年間導入量は0.1GWとなっており、市場規模はきわめて小さい。このことから、風車価格も世界平均の1.4倍、工事費用も1.6倍の水準で、運転維持費も割高となっている。
導入に向けての方向性
風力発電の導入拡大に向けた方向性としては、日本では風況調査、環境アセスメント、系統接続手続き等で10年以上かかるケースもあり、環境アセスメントや土地利用規制対応の迅速化、系統設備が十分ではない地域に設置されることが多いことによる系統制約の解消、FIT価格低減によるコスト削減努力、低風速、洋上などの新型風車開発などが示されている。

資源エネルギー庁
http://www.meti.go.jp/