実地調査とデータ分析
テュフ ラインランド ジャパン株式会社は、稼働20年以上の風力発電機を対象として、オンサイト検査と、過去の運転履歴や風況データ分析により、風力発電機の稼働可能残年数を推定する、「風力発電機の耐用調査サービス」を10月6日より開始したことを発表した。
具体的な作業については、まずオンサイト検査では、検査員がウインドファームへ実際に出向き、風車の状態について確認を行う。主な検査箇所は、タワー・基礎・主要機器・油圧機器・安全装置・センサー・ブレーキ・コントロールシステム・メインフレーム・ブレードで、その動作状況・ダメージ・漏れ・摩耗・腐食・クラック・異音などを確認する。
また、ギアボックスやメインベアリングのギアやベアリングの状態について、内視鏡を使って内部を詳細に確認するとともに、ギアボックスのオイルサンプルを採取し、金属摩耗の状態、添加物、混入物質などを確認し、分析結果をレポートにまとめる。
データ分析では、設計書と風車の現状を比較して、稼働時間・運転状況・発電量・ロータースピード・風速値・メンテナンス履歴・修復履歴などのデータを活用し、疲労の状況などの分析を行う。
そして、このオンサイト検査とデータ分析を総合的に判断することによって、風車の安定性および耐久性に関する診断結果を明記して残りの稼働可能年数を推定したレポートを発行することとなっている。
日本の風力発電機の運転年数20年越えが多数
テュフ ラインランドは、ドイツのケルンに本社を置く、世界でもトップクラスの第三者検査機関である。その日本法人であるテュフ ラインランド ジャパン株式会社は、ドイツをはじめヨーロッパ諸国、その他海外へ輸出される工業製品の安全試験・認証を提供、日本においても担当省庁の許可・指定により国内向けの評価サービスを展開している。
また、同社は風力発電に関する調査も行っている。
20年と言われる耐用年数を迎えた風車について、あと何年安全に運転を継続できるか、あるいは停止や解体しなければならないかと判断する必要があるが、その判断材料の1つとして重要なものは、第三者検査機関による調査結果であるため、テュフ ラインランドは、ドイツを中心にこのサービスを提供してきた。
そして、この数年で、日本においても耐用年数を迎える風車が増加することから、その需要に応えるべくサービスの提供を開始したものだ。
すでに、エコ・パワー株式会社グループが山形県に所有する、運転期間20年のウインドファーム「たちかわ風力発電研究所 第1・第2発電所」で調査を開始している。

テュフ ラインランド ジャパン株式会社
http://www.tuv.com/