電力需給逼迫の緩和へ
ソフトバンクグループで、自然エネルギー事業者を手がけるSBエナジー株式会社は、同社とモンゴルのNewcom社との合弁会社であるClean Energy Asia社が、国際協力機構(JICA)と欧州復興開発銀行(European Bank for Reconstruction and Development、以下EBRD)とともに、モンゴル国ウムヌゴビ県ツォグトツェツィー郡での風力発電所建設プロジェクトにかかる融資契約を締結したことを発表した。
このプロジェクトは、発電事業者がClean Energy Asia 社で、2,000キロワットの風車が25基設置され出力規模は50メガワット。モンゴル国内における電力需給逼迫の緩和への貢献と、自然エネルギーの促進を目的として建設され、同国の持続的な経済発展および気候変動の緩和に寄与するものである。
また、同プロジェクトは、JICAによる自然エネルギー分野では初の海外投融資によるドル建てプロジェクトファイナンス案件。
Newcom社とEBRDにとっては、2013年にサルヒットで運転を開始した、出力規模約 50メガワットの風力発電所建設に続くモンゴルで2件目の自然エネルギープロジェクトであり、SBエナジーおよびソフトバンクグループにとってはモンゴルでの初の発電事業である。
運転開始は2017年12月の予定。
自然エネルギーの普及促進
モンゴルにおける現在の電源構成は、石炭火力88%、ディーゼル6%、自然エネルギー6%、水力2%と自然エネルギーの割合が低くなっている状況だ。
また、経済成長にともなう電力の需給逼迫が差し迫った課題であることから、2015年にエネルギーセクターの中長期目標・計画を定めた国家電力政策が国会で承認され、総発電容量に占める自然エネルギーの割合を2020年までに20%、2030年までに30%まで引き上げることが目標とされている。さらに、2 国間クレジット制度(JCM)で、日本と覚書の締結をするなど、温室効果ガスの排出削減にも積極的に取り組んでいる。
こうした状況の中で、モンゴル政府は、自然エネルギーの普及促進を進めるべく、ツェツィー風力発電所をはじめ、自然エネルギーを活用した発電所のニーズが高まっている。
SBエナジー、Newcom社、JICA、EBRDは、今後もモンゴルでの自然エネルギー開発事業の発展と電力インフラシステムの向上に貢献していく意向を示している。
(画像はプレスリリースより)

SBエナジー株式会社
http://www.sbenergy.co.jp/ja/news/pdf/press_20160928_02.pdf