低風速地域でも発電量の増加可能な風力発電システム開発
株式会社日立製作所は9月7日、5MWダウンウィンド洋上風力発電システムにてローターの受風面積を15%拡大することで、年間平均風速7.5m/s未満の低風速地域でも発電量の増加が可能となる「HTW5.2-136」を開発したと発表した。
今後、日立ウィンドパワー株式会社(日立キャピタル株式会社と日立の共同出資により設立)が運営する、茨城県神栖市沿岸の陸上に位置する鹿島港深芝風力発電所にて、この10月に試運転を予定、2017年度からの販売を目指すという。
固定価格買取制度の導入(2012年7月)から再エネ導入が進むとともに風資源が豊富な日本では、発電効率を高めるため1基あたりの発電量が大きく、かつ高い信頼性を有した洋上風力発電システムが求められている。
「HTW5.2-136」は本州沿岸部の低風速地域向けに提案
風力発電システム受注数が国内トップクラスの同社は、これまで低風速地域に対応した2MW風力発電システムの開発や、2.5MW風力発電システムをラインアップに加えるなど、1基あたりの発電量を増加させる取り組みを進めてきた。
今回開発の5MW級風力発電システム「HTW5.2-136」は、機器の設定や制御プログラムの最適化により定格出力を5.2MWに高めたほか、ローター直径を136mに伸ばすことで受風面積を従来機対比で15%拡大、年間平均風速7.5m/s未満の低風速地域でも発電量増加を実現したとのこと。
同社では今後、「HTW5.2-136」を本州沿岸部の低風速地域向けに提案し、併せて従来機種「HTW5.0-126」の定格出力を5.2MWに向上させた「HTW5.2-127」を、より耐風速性能が求められる北海道、東北北部や九州南部の沿岸部などの高風速地域向けに提案・するとしている。
なお、定格出力5.2MW機で採用している経済性・信頼性が優れた洋上風車向け技術は、NEDOの「風力発電高度実用化研究開発」助成事業の成果を活用しているとのこと。

株式会社日立製作所 プレスリリース
http://www.hitachi.co.jp/New/cnews/