燃え難く軽量で、信頼性の高い太陽電池モジュールを開発
国立研究開発法人 産業技術総合研究所(産総研)太陽光発電研究センターの原浩二郎上級主任研究員らは9月5日、信越化学工業株式会社と共同し、シリコーンゴムでできたシート状の封止材を使った結晶シリコン太陽電池モジュールを開発したと発表した。
開発モジュールは、従来のガラス基板や可燃性有機部材を使わないことから、難燃性で軽量かつ割れないこと、また長期信頼性評価にて優れた信頼性を示すとともに、簡易に設置できるなどのメリットを生かし、新たな用途や従来とは異なる設置・利用法での導入が期待されるという。
車載用や住宅の屋根材一体型結晶シリコン太陽電池として
具体例としては、電気自動車などの車載用太陽電池としての使用のほか、住宅の屋根材一体型としての結晶シリコン太陽電池の利用や壁面設置などでの利用により、スマートハウスへの利用拡大が見込めるとしている。
今回作製のモジュールは、低コスト化を意図して、厚さ約500ミクロンのシリコーンゴムシート封止材と、厚さ約ミクロンの難燃性高分子フィルム表面材、および裏面材に絶縁処理をしたアルミ合金板で構成され、ガラス表面材を用いないサブストレート構造としたのが特徴という。
また、小型モジュール(40cm角)試験ではあるものの、試作モジュールが十分な耐衝撃強度や耐荷重強度を有していたことから、今後の最適化にて、長期の屋外設置でも十分に利用できる可能性があるとしている。
さらに、シリコーン封止材の長期の高温・高湿条件下での化学的安定性を確認しており、今後は継続中の温度サイクル試験や紫外線照射試験などの信頼性評価結果も踏まえ、実用途を想定したモジュール開発を展開していく予定とのこと。
(画像はプレスリリースより)

国立研究開発法人 産業技術総合研究所 プレスリリース
http://www.aist.go.jp/aist_j/press_release/pr2016/