東芝グループ納入設備での中国清遠揚水発電所運転開始
東芝株式会社は8月30日、中国浙江省にある同社グループ会社の東芝水電設備有限公司が、広東省の清遠揚水発電所向けに納入した32万kW揚水発電設備について、中国南方電網調峰調頻発電公司による全4台の営業運転が始まったことに伴う運転開始式が催されたと発表した。
中国では、ベース電源として利用される原子力発電所の新設が数多く計画される一方、ピーク時対応などに効率良く発電できる揚水発電所へのニーズが高まっていて、2020年までの5年間に中国全土で新たに6,000万KWの着工が計画されている。
今回同発電所に納入したのは、32万kWのポンプ水車、発電電動機および各種付帯設備4セットとなり、ポンプ水車には、揚水発電向けとして東芝が世界に先駆けて開発してきたスプリッタランナを採用している。
水車内の水の流れを整え水圧脈動を低減、信頼性高める
スプリッタランナは長翼と短翼を交互に配置し、翼枚数を増やすことで水流の乱れを抑える構造としていて、水車内の水の流れを整え、機器振動要因となる水圧脈動を低減することで、機器の信頼性を従来型(可逆式フランシス型)より高めている。
2005年設立の東芝水電は、これまで87台の水車・ポンプ水車、101台の発電機・発電電動機の水力発電設備を製造・納入している。
今プロジェクトは、大規模プロジェクトの管理や監視制御装置など幅広い付帯設備設計のほか、発電所での調整試験組織立ち上げなど、東芝のノウハウを移管させることで完遂したとのこと。
そして東芝水電は、増産投資を通じ、成長を続ける揚水発電市場における事業拡大を図っていくとしている。
(画像はプレスリリースより)

東芝株式会社 プレスリリース
http://www.toshiba.co.jp/about/press/