見通し外2km伝送可能な長距離ワイヤレス伝送システム
日本電業工作株式会社(DENGYO)は8月17日、接点データを920MHz帯の無線で中継させ、長距離・高精度に通信するワイヤレス警報接点伝送システムを開発したと発表した。
これは、河川上流域の土石流危険性がある箇所へワイヤーセンサを設置し、土石流が発生したことの発報信号を無線で伝送、下流域に設置した警報装置を作動させるワイヤレス警報システムという。
これまでの420MHz帯を使用する特定小電力無線は、低出力・低利得アンテナのため、山間部の見通し外の警報装置地点まで数百m間隔に無線中継機を設置する必要があったが、920MHz 帯の「Echoes LINK」を利用した接点伝送システムは、見通し外における機器間通信が最大約2.0kmまで可能になるとのこと。
太陽光発電とバッテリーによる自立稼働が可能に
このため、従来使用していた中継機の数を削減した構成にて回線構築できるほか、省電力設計のシステムにより太陽光発電とバッテリーによる自立稼働が可能となり、配線作業の簡略化ととともに設置・移動が簡単に行えるという。
920MHz帯長距離無線センサネットワーク「Echoes LINK」は、同社製無指向性8dBiアンテナ、小型平面指向性10dBiアンテナにより、見通しで約20km、山間等の見通し外で約2.0kmの長距離伝送できることから中継数を減らせるため、従来より低価格で回線構築が実現できるとのこと。
このシステム構成は、計測機、終端機が各1台のほか、アンテナと自立電源各2台(センサ・警報機は別途)となり、標準価格は103万円からとのこと。同社では、今月中の製品リリースを予定している。
(画像はプレスリリースより)

日本電業工作株式会社 プレスリリース
http://www.den-gyo.com/news/pdf/20160817.pdf