新しい燃料電池自動車のプロトタイプをブラジルで発表
日産自動車株式会社は8月5日、バイオエタノールから発電した電気で走る新しい燃料電池自動車のプロトタイプを、ブラジルで発表したと報じた。
このプロトタイプ搭載の発電システムは、同社が今年6月14日に開発を発表した新技術「e-Bio Fuel-Cell」で、100%エタノールまたはエタノール混合水を燃料とするため、クリーンで高効率なほか、燃料を供給し易いことが特徴となる。
「日産e-NV200」にSOFC搭載、600km以上の航続距離実現
同社は、このプロトタイプを使用したフィールドテストをブラジルの一般道で行い、技術や車両の市場性などを検証した上でさらなる研究開発を進めるとしている。
これに用いる車両は、EVの多目的商用バン「日産e-NV200」に100%エタノールを燃料とする発電装置(SOFC)を搭載した特別仕様車となる。30Lの燃料タンクを備えるほか、24kWhのバッテリーにSOFC(出力5kW)から高効率に発生した電気が蓄電され、600km以上の航続距離を実現するとのこと。
同技術は、サトウキビなど植物由来のエタノールを使うことから「カーボン・ニュートラル・サイクル」を実現するとともに、エタノールの入手性の高さやエタノール混合水の可燃性の低さから、インフラの制約が少なく市場導入がし易い技術という。
さらに、バッテリーEVと同等のドライビングやランニングコストとともに、ガソリン車並みの航続距離の実現が可能としている。
(画像はプレスリリースより)

日産自動車株式会社 プレスリリース
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