電力貯蔵システム向け二次電池の世界市場を調査
株式会社富士経済は5月8日、今後大幅な市場拡大が予想される電力貯蔵システム向け二次電池の世界市場を調査し、その概要を公表した。
2025年二次電池世界市場は2016年の4.7倍増の7,792億円
市場調査は、住宅用蓄電システム、商業・公共・産業施設などの非住宅用電力貯蔵システム、変電所や従来型発電所の系統設備、太陽光発電・風力発電システム併設施設などの系統用電力貯蔵システム、を対象に行った。
世界市場は、2025年で7,792億円と予測している。これは、2016年の1,649億円の4.7倍である。
リチウムイオン二次電池(LiB)は、今最も注目されており、韓国系や中国系メーカーの低価格製品により用途が多様化している。他にNAS電池、レドックスフロー電池、鉛電池(Pb)などが使用されている。
2025年住宅用蓄電システム用二次電池は2,080億円
住宅用蓄電システムは、非常用電源としての利用、深夜電力、太陽光電力を蓄電し電気料金が高い時間帯に自家消費するピークシフト用途が中心である。
2025年の住宅用蓄電システム向け二次電池の世界市場は、2016年の510億円から4.1倍増加し、2,080億円と予測する。日本は2016年167億円から2.6倍の2025年431億円の増加にとどまるものの、北米・中南米は164億円から4.5倍増の744億円と予測している。
2025年非住宅用電力貯蔵システム用二次電池は1,533億円
非住宅用電力貯蔵システムは、主に商用電源や発電機と連携し、オフピーク時に蓄電しピーク負荷時に放電するピークシフト/ピークカットの用途に使用する。
2025年の非住宅用電力貯蔵システム向け二次電池の世界市場は、2016年の215億円から7.1倍増加し、1,533億円と予測する。北米・中南米は122億円から6.0倍増の732億円、アジア他は20億円から23.8倍と大幅に増加し476億円と予測している。
2025年系統用電力貯蔵システム用二次電池は4,180億円
系統用電力貯蔵システムは、系統設備への負荷軽減、容量増強、スマートグリッド・マイクログリッド対応、太陽光・風力発電システム併設などによる系統管理や安定化を目的に増えている。
2025年の系統用電力貯蔵システム向け二次電池の世界市場は、2016年の925億円から4.5倍増加し、4,180億円と予測する。北米・中南米は280億円から5.3倍増の1,494億円、欧州は256億円から3.5倍増の898億円と予測している。
(画像はプレスリリースより)

株式会社富士経済のニュースリリース
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