日本で初めて「機械式波力発電装置」を設置
三井造船株式会社は5月10日、東京都神津島から離岸距離800m、水深32mの外洋に、日本で初めて「機械式波力発電装置」を設置し、波力発電の実証試験を開始した、と発表した。
実証試験は、2011年度から開始した国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)との共同研究事業で、「海洋エネルギー発電システム実証研究」の一環である。
機械式波力発電装置の発電可能能力は3.0kW
機械式波力発電装置は、波の揺動運動を機械的な回転運動に変換し、発電を行う装置である。
三井造船は、2008年より機械式波力発電の研究を開始し、2017年沖合に設置可能な発電装置を完成させ、小規模であるが実証試験可能な実機を製造した。
装置は、全長約13m、フロート直径2.7m、円柱部スパー直径1.0m、空中重量約10tで、発電可能能力は3.0kWである。実証期間中の平均発電量は、600Wを想定しているとのこと。
実証試験では、発電電力を各種計器類や通信機器で消費し、系統連系を行わないとのこと。余剰電力は、容量20kWhのリチウムイオン電池に常時充電し、発電量が低下場合のバックアップ電源とする仕様にした。
実証試験は2017年夏頃までの予定
三井造船は全体のとりまとめ、現地施工を五洋建設が行い、海洋観測とシミュレーションを東京大学に協力依頼した。
4月17日に設置が完了し同日に発電を開始し、現在安定的に発電しているという。
実証試験では、新たな運転制御方法の効果、荒天時の耐久性の確認など、2017年の夏頃まで実施する予定とのこと。
(画像はプレスリリースより)

三井造船株式会社のニュースリリース
http://www.mes.co.jp/press/2017/20170510.html