出力100kW純水素燃料電池システムの実証を開始
株式会社東芝は4月27日、山口県周南市地方卸売市場において、出力100kW純水素燃料電池システムの実証を開始した、と発表した。
苛性ソーダ工場から発生する未利用の副生水素を活用
山口県周南市は、環境省の「平成27年度地域連携・低炭素水素技術実証事業」に採択された株式会社トクヤマと連携し、トクヤマの苛性ソーダ工場から発生する未利用の副生水素を回収し、活用する取り組みを行っている。
実証事業において、副生水素を利活用する検証の1つとして、東芝製の純水素燃料電池システムを導入し、その経済性やCO2削減効果などを検証する。
純水素燃料電池システムは、水素と空気中の酸素を利用し、水電気分解の逆化学反応により直接電気へ変換し、発電する。発電効率は高く、世界最高レベルの50%以上を実現している。
動作温度が80度程度と低く、5分という短時間での発電開始が可能で、CO2が発生しない。
電気を使用する場所に設置し、発電するため、送電系の無駄がない。実績のあるセルを使用し、設計耐久性は8万時間(10年間)を実現。
また、従来の発電方式では未利用であった発電の際に発生する熱エネルギーを、熱湯として利用するため、エネルギーを無駄なく使用する。
排気もクリーンで、音も静かな環境に配慮した発電装置である。
発電電力を花卉保管の冷蔵庫に供給、熱を給湯などに利用
発電電力は、卸売市場の花卉保管の冷蔵庫などに供給される。さらに、発電過程で生成される熱は、市場内の空調や給湯に利用される。
東芝の最大出力100kW純水素燃料電池システムは、現在トクヤマの下関市プールと周南市地方卸売市場の2か所で運転中とのこと。
(画像はプレスリリースより)

株式会社東芝のニュースリリース
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