大量の再エネ導入に向けた技術的課題と解決策を実証
東京電力ホールディングス株式会社と東京電力パワーグリッド株式会社および株式会社東光高岳の3社は4月13日、NEDO事業にて、2030年のエネルギーミックス(電源構成)を予測・模擬した実証試験を、東京都新島村の新島と式根島で4月14日に開始すると発表した。
この目的は、風力発電などによる電力を安定して活用するため、電力系統の予測・制御・運用技術を確立することで、国内での大量の再エネ導入に向けた技術的課題とその解決策を、実証によって明らかにするものとなる。
2030年頃に向け、政府は再エネの導入拡大を目指すが、電源構成で天候による出力変動が大きい再エネの割合が増えると、電力の安定供給に悪影響が出ることが懸念されるため、電力系統の安定運用を実現するための技術開発が必要となってくる。
再エネを最大受け入れ可能な系統システムの構築と評価
そこでNEDOは、東京都新島村の新島と式根島の島内にて、2030年頃に想定される再エネ導入率(22~24%)を模擬した電力系統の実証試験を行うとし、想定電力需要と再エネ発電変動量の割合を模擬して、再エネ比率を高めた電力系統の実証設備を設置した。
ここでは、東日本地域を想定して風力発電比率を高く設計し、天候による風速の急変と強風時の発電停止に対応する予測技術を開発、再エネ発電と蓄電池などを組み合わせた電力系統により、予測技術や出力制御技術の高度化、需給運用手法の確立を目指して実証試験を行うという。
そして実証試験では、風力発電などの再エネによる出力予測・出力制御、ディーゼル発電機などの既存電源や蓄電池との協調運用制御を行い、再エネを最大限受け入れ可能な系統システムの構築・評価を行うとのこと。
(画像はプレスリリース配置図より)

東京電力ホールディングス株式会社 プレスリリース
http://www.tepco.co.jp/press/release/2017/新島実証設備および配置図
http://www.tepco.co.jp/pg/company/press-information/