太陽光発電トラッカー市場を2社が独占
世界的な調査機関IHS Markitは3月30日、2016年の太陽光発電トラッカー(追尾システム)市場で、NEXTracker社とArray Technologies社が独占していると発表した。
米国以外の新興市場で成功を収めた企業がランクイン
NEXTracker社とArray Technologies社の2社は、出荷台数のランキングで1位、2位を占め、太陽光発電の構造機器のサプライヤーをリードするだけでなく、世界的に太陽光発電トラッカーシステムのリーディングサプライヤーであり続けている。
2016年の太陽光発電BOS(Balance of System)供給市場でも、前年比出荷量が伸びている。
垂直統合型サプライヤーで3位のFirst Solar社と6位のSunPower社は、2016年に市場シェアの多くを失った。First Solar社は、2016年EPC事業の縮小と構造機器市場からの撤退、を発表したことに起因している。
4位のConvert Italia社と5位のArctech社は、ラテンアメリカ、EMEA地域、インドなど米国以外の新興市場で成功を収め、上位5位に入った。
世界でもっとも大きな太陽光発電トラッカー市場の米国において、7位のSoltic社、10位GameChange Solar社、Sunlink社は、NEXTracker社とArray Technologies社のビッグ2を除き、勝者となった。
今後米国市場が減速、ニッチな市場に目を向ける必要性
トップ10のサプライヤーのうち、分散システムは出荷製品の3分の2を占め、3分の1は集中ソリューションが占めている。NEXTracker社とArray Technologies社がそれぞれの製品カテゴリをリードしてる。
主要なトラッカーサプライヤーは米国市場で優位を保つことにより成功しているが、2017年には市場は減速する。
不均一な地形・障害物などにより太陽光発電所を設置する理想的な土地が減るため、小規模な太陽光発電用のニッチなソリューションを展開することが、トラッカーの国際市場の成長を維持する鍵となるだろう。
国際的な成長のためには、ブラジルやメキシコなどのラテンアメリカ市場、トルコやヨルダンなどのEMEA市場、インドやオーストラリアなどのアジア市場を見る必要がある、という。
(画像はプレスリリースより)

IHS Markitのニュースリリース
https://technology.ihs.com/