水力発電所の出力増加に向けた取り組みなど発表
四国電力株式会社は3月28日、水力発電所の出力増加に向けて行った、設備更新による高効率化と設備余力活用の取り組みを発表した。
一つは、高効率水車の導入による出力増加の取り組みで、同社には運転開始から100年を超える水力発電所も存在することから、老朽化が進んだ発電所では設備更新の機会を捉えて、高効率の水車に取り替えることでの出力増強を図っている。
平成12年度以降の高効率化による増出力量は約2万5千kWで、今後3か年の運転開始予定分を含めると約3万kWになる。なお、増加電力量は年間7千万kWh程度を見込んでいて、これは一般家庭約2万2千世帯の消費電力量に相当する。
また現在、高知県いの町の分水第一発電所にて、背後斜面の地すべりによる損壊リスクを回避するため、これまでの地上発電設備を全て地下に移設するほか、高効率水車への取替を4年間かけて行う大型工事を実施しており、この4月には全ての試験を終了して3,300kWを増加させて発電を開始する予定とのこと。
大橋ダムと稲村ダムの2か所のダムカードを新たに発行
また、設備余力を活用した出力増加への取り組みでは、設備容量に余裕のある水力発電所の最大取水量を変更する「水利使用許可手続き」が簡素化されたことから、増取水による出力増加が可能な発電所の精査を進めた結果、小村発電所と出合発電所が有望と判明した。
このため両発電所では、河川環境への影響を踏まえつつ実証試験と出力増加手続きを完了し、今年から運用開始している。同社は今後も引き続き、有望な発電所数か所での検討を進めていくとしている。
なお水力発電は、再生可能エネルギーとして電力の需給運用上、重要な役割も担っていることから、ダムのことをより知ってもらうべく国土交通省などが「ダムカード」を発行している。同社はこの4月から、大橋ダム(高知県いの町)と稲村ダム(高知県土佐町)の2か所のダムカードを発行することとしている。
(画像はプレスリリースより)

四国電力株式会社 プレスリリース
http://www.yonden.co.jp/press/re1703/data/pr007.pdf