福島原発事故後の、日本のエネルギー安全保障、再生可能エネルギー調査
米研究機関エネルギー経済・財務分析研究所(IEEFA: Institute for Energy Economics and Financial Analysis)は3月21日、「ポスト原子力における日本のエネルギー安全保障、再生可能エネルギーへの道」と題する調査報告書を発表した。
2030年太陽光発電12%、再生可能エネルギー35%と予測
日本はこの先、人口減少による経済成長の鈍化とエネルギー生産効率の高さにより、電力需要は、2010年の1,140TWhから2030年には868TWhに減少する。
太陽光発電は、現在総発電量の4%であるが、2030年までに12%を占めるようになる。
日本は、2013年から2015年の間、太陽光発電施設の導入で、世界第2位であった。これを継続させるには、日本政府の新しい支援策が必要だという。
日本の洋上風力発電資源は、あまり利用されていないが、風力タービンの製造に関して世界で最も優れた製造業があり、大きなポテンシャルを秘めており、ベースロード電力需要に貢献する可能性がある。陸上風力発電は、利用可能な土地が限られているため展開が遅い。
洋上風力発電では土地問題が存在しないので、利用率は45~50%と高く、ベースロード電力に寄与する可能性がある。
日本の洋上風力発電量は、2030年度までに10GWになる、とIEEFAは見込んでいる。
IEEFAは、太陽光・洋上風力・水力・バイオマス発電の増加と電力需要の低下を考慮すると、日本は2030年までに電力需要の35%を再生可能エネルギーで占める、と予測する。
日本の原子力産業は回復しない
停止中の40GWの原子力発電容量のうち、2030年までに稼働を開始するのはわずか4分の1にすぎず、日本の原子力産業はおそらく回復しないだろう、と見ている。
日本が提案している45の新しい石炭火力発電所のほとんどは計画段階にあり、電力需要が減少するため、多くは建設に至らないだろうとみる。 日本の大手電力会社は最近、石炭発電計画の見直しを開始した。
(画像はIEEFA調査報告書より)

IEEFAの調査報告書
http://ieefa.org/