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2025年05月07日(水)
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東大研究グループ、カーボンナノチューブ有機薄膜太陽電池を開発

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東大研究グループ、カーボンナノチューブ有機薄膜太陽電池を開発

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レアメタルのインジウムを含まず
東京大学大学院理学系研究科の松尾豊特任教授、工学系研究科の丸山茂夫教授らの研究グループは、カーボンナノチューブを用いて、レアメタルであるインジウムを含まない、フレキシブルな有機薄膜太陽電池の開発に成功したことを発表した。

有機薄膜太陽電池
これは、カーボン材料を主体とする新たな有機系太陽電池の開発につながるものであり、将来的に太陽電池の低コスト化や太陽エネルギーの効率的な利用に貢献することが期待される。

カーボンナノチューブの特性に注目
これまで、有機薄膜太陽電池の透明電極には酸化インジウムスズを用いてきたが、レアメタルであるインジウムは需要に対して供給量が多くなり、調達コストが高価になるリスクがある。

それに対し、カーボンナノチューブは、元素としては供給の制約を受けない炭素で作られ、優れた電荷輸送特性、化学的安定性、機械的安定性および柔軟性を併せ持つ材料であるため、電極材料として用いられることが期待されてきた。

安価で高効率でフレキシブル
今回、同研究グループは、高純度で透明性の高いカーボンナノチューブ薄膜のエネルギー準位を変化させて、有機発電層からプラスの電荷(ホール)のみを選択的に捕集し、高効率に輸送するカーボンナノチューブ透明電極を開発、インジウムを用いない有機薄膜太陽電池のエネルギー変換効率を向上させた。

さらにフィルムの上にカーボンナノチューブ薄膜を転写して用いることで、フレキシブルな太陽電池の作製にも成功した。

カーボンナノチューブは安価な塩化鉄などの鉄触媒とアルコールや一酸化炭素などの炭素源を用いて合成され、原理的には安価に製造することが可能とされている。

インジウムの代わりにカーボンナノチューブと活用することにより、有機系太陽電池の実用化へ向けた研究が加速し、将来的に太陽電池の低コスト化や太陽エネルギーのさらなる利用に役立つことが期待される。

(画像はプレスリリースより)


外部リンク

東京大学大学院 理学系研究科・理学部 プレスリリース
http://www.s.u-tokyo.ac.jp/ja/press/7125/
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