R2R法による太陽電池、変換効率の世界記録達成
オランダ、ベルギー、ドイツの研究開発機関のパートナーシップであるSollianceは3月9日(オランダ時間)、太陽電池生産のために工業的に応用可能なロールツーロール(roll-to-roll、R2R)法によりペロブスカイト太陽電池を製造し、セルレベルで変換効率12.6%の世界記録を達成した、と発表した。
R2R法で、大量生産、低コストの太陽電池を実現
ペロブスカイト微結晶は、高変換効率の薄膜太陽電池を製造する有望な材料である。薄型・軽量な半透明のモジュールに加工することで、窓や湾曲した構造物のような建築材料に組み込むことができる。
ペロブスカイト太陽電池を製造するロールツーロール(R2R)法は、SollianceとパートナーVDL Enabling Technologies Group(VDL ETG)、Smit Thermal Solutions社、Bosch-Rexroth社が開発し、新しいSollianceの両面R2Rコーティングライン上で、電子輸送層とペロブスカイト層の両方に対して適用された。
インラインのR2Rコーティング、乾燥およびアニーリング処理が、30cm幅の市販のPET/ITOホイル上および周囲の環境条件のもと、線速度毎分5mで行われた。
新しく開発されたオフラインのシングルデバイス仕上げステップの適用後、0.1平方cmの太陽電池は、5分間の最大電力点追跡条件下で測定され、変換効率12.6%を達成した。
すべての処理は、R2Rライン上で処理温度120℃以下に保ちながら、低コストの材料を使用して、実行された。
R2R法は、薄膜太陽電池が、非常に低コストで大量生産が可能であることを示した。
R2R法をさらに発展させ、生産コストを低減
現在太陽電池の世界記録効率は、小規模な研究室が達成した、22.1%である。
今後は、R2R法をさらに発展させて、長寿命、低コスト、高品質、大量生産可能で、変換効率が15%を超えるペロブスカイト電池の製造を目指すという。
(画像はプレスリリースより)

Sollianceのニュースリリース
http://solliance.eu/