低コストの太陽電池実現へ期待
2017年2月21日、千葉大学大学院工学研究科・矢貝史樹准教授の研究チームは、分子の自己組織化を制御する仕組みを解明したと発表した。
今回の解明は、太陽電池の大面積化・低コスト化の実現につながると期待されている。
水素結合性材料としては世界最高の性能を持つ太陽電池
今回の研究では、多点水素結合と言われる分子間相互作用を用いて、半導体性を持つ分子の自己組織化を精密に制御することに成功し、分子が階層的に組み上がる仕組みを解明することが出来たという。
又、今回の方法で得た集合構造の1つは、電子物性の違う材料と混ざり合う性質があり、水素結合性材料としては、世界最高の性能を持つ太陽電池になることも分かったとしている。これは、太陽電池の性能が、ナノレベルの構造の違いに影響されることの証明であるという。
これまでは、分子の自己組織化を分子構造から予測・設計することは困難であった。しかし近年は、狙い通りに分子を自己組織化させることが出来るようになりつつあり、今回の解明は、重要な知見を与えているとしている。
分子の自己組織化を用いた太陽電池などの有機デバイスは、大面積化・低コスト化の観点から今後、更に発展する研究開発分野だとし、近い将来、自己組織化を用いた太陽電池の実用化も実現できると考えられている。
(画像はプレスリリースより)

千葉大学 ニュースリリース
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