木質バイオマスエネルギー利用動向調査の確定結果
林野庁は1月31日、「平成27年木質バイオマスエネルギー利用動向調査」の調査結果を取りまとめ、公表した。
木質バイオマスとは、動植物由来のバイオマスのうち木質のものを指し、木材チップ、木質ペレット、薪、木粉(おが粉)などのことをいう。
1,316事業所からの回答を分析
今年度から開始した木質バイオマスエネルギー利用動向調査は、木材利用の推進、木材の安定供給、地域振興など森林・林業施策の推進等に活用するため、木質バイオマスのエネルギーとしての利用動向を把握する調査である。
平成27年調査では、木質バイオマスを利用している発電機およびボイラーを有する事業所を対象として、全国1,364事業所を調査した。1,316事業所から回答があり、回答率は約96%。
木質バイオマスと非木質バイオマスとの混焼を実施している事業所は68事業所(5.2%)、化石燃料との混焼を実施している事業所は226事業所(17.2%)だった。
木質バイオマスのほとんどは木材チップ
エネルギーとして利用された木質バイオマス量は、木材チップ690万絶乾(水分を含まない重量)トン、木質ペレット16万トン、薪5万トン、木粉(おが粉)37万トンなど。ほとんどが木材チップだった。
由来別木材チップ利用量は、間伐材・林地残材等117万絶乾トン(16.9%)、製材等残材143万絶乾トン(20.7%)、建設資材廃棄物420万絶乾トン(60.8%)などで、建築廃材が約6割を占めた。
木材チップの利用目的は、発電のみ304万絶乾トン(44.0%)、熱利用のみ119万絶乾トン(17.2%)、発電および熱利用268万絶乾トン(38.8%)であった。
間伐材・林地残材等由来の木材チップは、発電のみ74万絶乾トン(63.4%)、熱利用のみ10万絶乾トン(8.9%)、発電および熱利用32万絶乾トン(27.7%)で、発電のみの利用が6割以上であった。
発電電力の半数以上は自家消費
業種別事業所数は、製材業・木製品製造業が262事業所(20.0%)で最も多かった。
発電機の数は、合計232基。業種別では、パルプ・紙・紙加工品製造業が77基(33.2%)、電気・ガス・熱供給・水道業が67基(28.9%)などであった。
発電機の種類別では、蒸気タービンが208基(89.7%)と大半を占めた。
発電電力の利用は、自社・自社関連施設等で利用が127基(54.7%)、売電が82基(35.3%)で、自社等における消費が多かった。
(画像は林野庁のHPより)

林野庁のプレスリリース
http://www.rinya.maff.go.jp/j/press/riyou/170131.html