(仮称)大佐山風力発電事業環境配慮書に環境大臣意見
環境省は6月23日、島根県と広島県の両県で株式会社グリーンパワーインベストメントが事業を計画する「(仮称)大佐山風力発電事業に係る計画段階環境配慮書」に対し、環境大臣意見を経済産業大臣に提出したと発表した。
この事業は、島根県浜田市と広島県山県郡北広島町にまたがる面積約1,101.4haを事業実施想定区域として、出力規模が最大で約58,000kW(3,400kW級×17基)の風力発電所を設置するものとなる。
これに対し環境大臣意見では、風力発電設備等の配置等を検討するに際し、国定公園区域での復元困難な植生等の区域と特定植物群落の改変を回避すること、また、同区域での山稜線を分断する風力発電設備配置の回避と、主な眺望点からの景観への影響を回避もしくは極力低減することを求めている。
さらに、大佐山山頂と歩道の直接改変回避のほか、大佐山一帯については影響を回避するか極力低減すること等も求めている。
鳥類・植物・生態系・景観等への影響回避を求める
また総論の中で、予定区域周辺では他事業者による風力発電所が稼働中で、累積的な影響が懸念されるとし、他事業者との情報交換等に努め、累積的な影響について適切な予測と評価を実施し、風力発電設備の配置等を検討するよう求めた。
このほか、騒音や風車の影による生活環境への影響のほか、鳥類・植物・生態系・景観等への影響が避けられない場合は、風力発電設備配置等の再検討、もしくは対象事業実施区域の見直し等を行うこととした。
なお今後は、経済産業大臣から事業者である同社に対し、環境大臣意見を勘案した意見が述べられ、同社は意見の内容を検討した上で事業計画を決定し、事業段階の環境影響評価を行うことになる。
(画像は環境省HPより)

環境省 プレスリリース
http://www.env.go.jp/press/104180.html