鹿児島県指宿市の地熱発電所候補地で泉源掘削工事開始
株式会社多摩川ホールディングスは6月19日、同社の連結子会社の株式会社多摩川エナジーが、鹿児島県指宿市の地熱発電所候補地で、地熱バイナリー発電に必要な蒸気を噴出させるための掘削工事を始めることとしたと発表した。
このほど、当該発電所の操業に向けた掘削許可の取得と地熱貯留層探査が完了したことから、本格的に掘削作業に着手することとしたもの。
これまで同社グループは、再エネ固定買取制度の施行以降、太陽光発電所事業を中心に事業拡大を図ってきたほか、これ以外にも、CO2を排出せずに発電・蓄電できる水素関連事業や、その他の再エネによる発電所事業を調査・検討していたという。
また地熱バイナリー発電は、水より低沸点の熱媒体を温泉の熱湯や水蒸気で気化させタービンを回す発電技術で、地下から取り出した蒸気は還元井を通じてほぼ全量を地下へ還元することが可能で、再エネを創り出す際の環境影響がほとんど生じない特長があるとのこと。
投資効率の最大化を目指せるメリットも
さらに、地熱発電事業の主なメリットとして、1)天候・季節に左右されず24時間体制の安定的な発電ができる、2)約125kW規模の地熱発電所で太陽光発電所約1MW規模の発電量を生み出すことができる、3)発電設備の専有面積が比較的小規模で済み効率的な電源確保が可能になる、という点を挙げる。
このほか、4)地熱発電は今年度も40円/kWh(税別/15,000kW未満)の固定買取価格が確保されている、5)投資金額に対する収入見込額が高く投資効率の最大化を目指せる、といったこともあるとしている。
同社は今後、この掘削工事は6ヶ月間程度を予定し、これにより500kW程度の発電が可能な蒸気を開発することを想定しているとのこと。
(画像は多摩川ホールディングスHPより)

株式会社多摩川ホールディングス プレスリリース
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