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2025年05月12日(月)
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NEDO、EVでガソリン車並みの走行距離を目指す革新型蓄電池の開発に着手

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NEDO、EVでガソリン車並みの走行距離を目指す革新型蓄電池の開発に着手

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革新型蓄電池実用化に向けた共通基盤技術開発に着手
NEDOは5月18日、リチウムイオン電池(LIB)の性能を超える革新型蓄電池の実用化に向けた共通基盤技術の開発に着手すると発表した。

このプロジェクトでは、大学・研究機関と企業が連携し、エネルギー密度や耐久性、安全性などの車載用蓄電池に必要な性能を高いレベルで両立させる研究開発を、容量5Ah級蓄電池を試作して行うもの。ガソリン車並みの走行性能を持つ普及価格帯の電気自動車(EV)などへの車載化を、2030年での達成を目指す。

蓄電池
日本のエネルギー・環境制約への対応と自動車産業の競争力の維持・強化のためには、燃料多様化や省エネとCO2排出量削減に繋がる、EVとプラグインハイブリッド(PHEV)を、ガソリン車と同等の利便性を持つ製品に高める必要があり、この実現のキーテクノロジーとなるのが車載用蓄電池としている。

このため、LIBの性能限界を超える新タイプの高性能かつ低コストの革新型蓄電池を、出来るだけ早く開発し、これを搭載したEVやPHEVを世界に先駆けて市場に投入していくことが期待されている。

ガソリン車並み走行性能、EV等搭載用革新型蓄電池を開発
こうした背景からNEDOは、「革新型蓄電池先端科学基礎研究事業(RISING)」※1(2009年度~2015年度)にて、2030年にガソリン車並みの走行性能を有するEV等に搭載されるオリジナリティの高い革新型蓄電池の基礎研究に取り組んできた。
※1 革新型蓄電池先端科学基礎研究事業(RISING)
京都大学と産業技術総合研究所関西センターを集中研究拠点として、13大学・13企業・4研究機関によるオールジャパン体制で、現状比5倍のエネルギー密度を有する革新型蓄電池の実現を目指して事業を推進。京都大学拠点にNEDO職員が常駐、現場密着型の研究開発マネジメントを行ってきた。


この結果、革新型蓄電池(亜鉛空気、ナノ界面、硫化物)3タイプにて、エネルギー密度300Wh/kgを検証し、500Wh/kgの見通しを得たとのこと。

そこで、2030年の実用化に向けこの成果を更に発展させるべく、「革新型蓄電池実用化促進基盤技術開発(RISINGII)」(2016年度~2020年度)にて、世界最高・最先端の解析技術を開発・活用しつつ、エネルギー密度・耐久性・安全性等の車載用蓄電池として必要な性能を持つ革新型蓄電池の共通基盤技術の研究開発2項目に取り組むという。

「高度解析技術開発」と「革新型蓄電池開発」に取り組む
研究開発項目の一つは「高度解析技術開発」で、SPring-8の放射光X線回折、J-PARCの中性子回折、NMR、精密充放電など複数の解析技術を相補的に組み合わせて、電池内部の様々な現象をより高速で微細に把握し課題抽出とその解決を図ることで、高性能化や高耐久化を実現する新規の解析技術を開発する。

もう一つは「革新型蓄電池開発」で、RISINGで300Wh/kgが検証できた3タイプの電池(亜鉛空気、ナノ界面、硫化物)を対象に、「高度解析技術開発」で開発する技術を使って課題解決を図りつつ、エネルギー密度・耐久性・安全性等についても車載化に課題がないことを、実セル(容量5Ah級)を試作し検証する。

研究開発項目はいずれも、その目標達成に向けた難易度が極めて高いため、先端的な材料科学や高度な解析技術を有する大学・公的研究機関と、車載用蓄電池の開発・実用化で豊富な実績を有する蓄電池メーカー、エンドユーザーとなる自動車メーカー等の連携体制をとり、技術的なブレークスルーの創出を目指す。

なお、RISINGII(2016年度~2020年度)の事業総額は150~180億円(予定)とし、この事業終了後に企業での実用化開発が可能になるところまで研究フェーズを進展させることを目指している。

(画像はプレスリリースより)


外部リンク

NEDO プレスリリース
http://www.nedo.go.jp/news/press/AA5_100570.html

 
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