DR Laser社の高い技術力を駆使したレーザー設備を利用
帝人株式会社は4月20日、高変換効率の太陽電池セル製造に向け、中国の武漢帝尔激光科技股份有限公司(DR Laser)とレーザードーピング技術確立のための戦略的提携に合意したと発表した。
同社が世界に先駆けて開発したシリコンナノペーストと、DR Laser社の高い技術力を駆使したレーザー設備とを組み合わせる狙いという。
拡大する太陽電池モジュール市場だが、より効率的な発電を実現する変換効率の高い太陽電池の開発が求められている。高変換効率を得るPERC型太陽電池の中でもPERL型※太陽電池の開発が活発になっているものの、複雑な製造工程などにより工業的に生産することが難しいとされてきた。
※ PERL型:Passivated-Emitter, Rear-Localizedの略で局所背面電界の意。高い変換効率から次世代の太陽電池セル構造の本命と言われる。
レーザードーピングで3年以内に50%以上のシェア目指す
DR Laser社は、中国・武漢市で2008年に設立され、その高機能・高精細なレーザー加工技術が太陽電池の変換効率向上に寄与することから、世界の太陽電池トップメーカーに次々と採用されている。特にPERC型太陽電池のレーザー加工機器では、世界シェア50%以上を占める世界有数のメーカーという。
一方帝人は、高効率太陽電池用の「NanoGram シリコンペースト」を開発したほか、スクリーン印刷技術とレーザードーピング技術の開発などから、世界で初めてPERL型太陽電池の工業化を可能にする「NanoGram PERC型」太陽電池製造技術の開発に成功している。
両社は今回の提携により、シリコン結晶のための「NanoGram シリコンペースト」の最適なレーザードーピング条件の開発、および量産に向けたレーザードーピング装置の開発を行い、変換効率を飛躍的に向上させる「NanoGram PERC型」太陽電池の量産を実現する技術を確立する。試作センターも新設する。
そして帝人は、高変換効率を実現する「NanoGram シリコンペースト」を使用したレーザードーピング技術が、太陽電池セル製造のデファクトスタンダードとなることを目指し、PERC型太陽電池セルのレーザードーピングにて3年以内に50%以上のシェア獲得を目指すとしている。
(画像はプレスリリースより)

帝人株式会社 プレスリリース
http://www.teijin.co.jp/news/2016/jbd160420_28.htm