国内初となる浮体式洋上風力発電設備を運転開始
戸田建設株式会社は4月15日、五島市と五島フローティングウィンドパワー合同会社(戸田建設の完全子会社)が、長崎県五島市崎山漁港の沖合約5kmに国内初となる浮体式洋上風力発電設備を実用化し、運転を始めたと発表した。
この発電設備名は「崎山沖2MW浮体式洋上風力発電所」で、船名は「はえんかぜ」(非自航船)と称する。また風力発電機にはダウンウインド型 HTW2.0-80(日立製作所製、2MW級)を採用している。この所有は五島市で、同社が運転管理を担当する。
発電設備全長は172m、海面上に見える部分の高さは96m
この特徴は、スパー型と呼ばれる細長い円筒形状の浮体構造の上に、風車及びタワーが海上に突出して固定され、3本のチェーンで海底に係留されている。
浮体構造の上部には鋼、下部にはコンクリートを使用していて、九州大学・戸田建設グループによって開発された「ハイブリッドスパー型」と呼ばれる形式を採用する。水圧や海水にも強いコンクリ ートを浮体下部に用いることでコストダウンを図るとともに、重心を下げ安定性も向上させている。
発電設備の形状・寸法は、海中の一番深い部分から風車翼(ブレード)の先端までの全長が172mで、海面上に見える部分の高さは96mとなる。また、円筒部の最大直径は7.8m、総重量は約3,400 トンとのこと。
なお「はえんかぜ」は、平成22~27年度の環境省実証事業で国内初の2MW級浮体式洋上風力発電設備となるとともに、関係者協力のもと五島市椛島沖に設置され、安全で環境への影響が小さい施設であることが確認されている。
(画像はプレスリリースより)

戸田建設株式会社 プレスリリース
http://www.toda.co.jp/news/2016/20160415.html