回転速度を変えるシステム構成
株式会社東芝 エネルギーシステムソリューション社は、2015年11月より稼働している関西電力の出し平発電所に、小水力向け可変発電システムを向けに納入していることを発表した。
出し平発電所は、これまでは発電に用いずに放流していた河川の維持流量を有効利用する発電所。落差と流量の変化幅が大きいため、回転速度が一定である従来の水車ではすべての運転範囲での安定運転が難しいという技術的な課題があった。
同社では、この課題に対し、発電機の出力端に周波数変換器を設けることで、広範囲に回転速度を変えることができる小水力向け可変速システムを採用して、すべての運転範囲における水車の安定運転を実現したものである。
最大出力は520キロワット、発電電力量は、一般家庭約480世帯の年間消費電力量に相当する約171万キロワットアワーとなっている。
幅広い高性能水車を開発
同社グループでは、1894年に日本最初の事業用水力発電所である蹴上発電所向けに国産初の60キロワットの水車発電機を納入して以来、これまで世界各国に2,000台以上、56,000メガワット以上の水力発電ユニットを納入してきた。
また、高効率、高性能で環境にやさしい水力発電システムを世界中に提供するため、継続した開発や研究に取り組み、水力発電所の建設地の地形条件等により異なる多様なニーズに対応した水車を開発してきた実績も持っている。
同社グループは、今回の出し平発電所向けの納入を契機に、さらなるビジネスの拡大を目指すとともに、水力発電をはじめ、地熱発電、風力発電、太陽光発電など多様な再生可能エネルギーの安定供給に向けた取り組みを世界各国で展開していく意向を示している。
(画像はプレスリリースより)

株式会社東芝 エネルギーシステムソリューション社
http://www3.toshiba.co.jp